花のように笑う貴方へ(yt*in) (ページ9)

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「わっ！｣

「貧血？大丈夫か？」

「水あるよ、飲む？」

初対面の皆さんの優しさが今はすごくありがたかった…

そして同時にものすごく申し訳なかった…

「すいません…」

「いーよいーよ、あ、落ち着いた所で自己紹介してもらっていい？俺、薮ね」

「あ、すいません、俺、中島裕翔って言います」

「山田涼介です」

「俺は八乙女でーす！」

「髙木、よろしくね？」

「…………有岡大貴…」

薮さんをはじめ、4人はサッカー同好会のメンバーで、ここはそんなに頻繁に活動があるわけじゃない同好会らしく、

部室も主にいのちゃんを合わせたこの5人しか使ってないみたい。

サークルの話を聞いて山田はすこし残念そうにしてたけど、俺はそれよりもずっと不機嫌そうな顔で俺を見てくる有岡さんが気になっていた。

「じゃあ裕翔は伊野尾の後輩なんだ？」

「後輩っていっても学校で一緒だったの１年もなかったんですけど」

「ゆーてぃの家、転勤族なんすよ」

「あ～だから俺そんなしらねぇんだ？｣

「え、八乙女さん高校同じですか」

「同じだけど、高校ん時は伊野尾とあんまりつるんでなかったから、今は腐れ縁みたいなもん」

いのちゃんが誰かと一緒にいるのを見たことがなかったから、意外だった。

いや、むしろ俺は俺と一緒にいる時のいのちゃんしか知らなかったんだな、と改めて感じた。