花のように笑う貴方へ(yt*in) (ページ3)

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2 years ago...

「いのちゃん、またこんなとこで寝てんの？」

「んぁ…？あー……やべ、ねてた、うん…ぇ、あれ、おれねてた？」

「はぁ…また寝ぼけてるし…」

眠たげな目を擦りながら欠伸をしてるのは、いのちゃんこと、伊野尾慧先輩。

俺より二つ歳上の、図書委員のセンパイ。

転校早々に、雑用ばっかで誰もやりたがらなかった図書委員を押し付けられて、

まぁでもどうせそれも1年くらいだし、と思いつつも真面目に委員会活動をしてた俺。

ある時、放課後先生に図書整理を頼まれて図書室に行ったところ、

奥の方に置いてあるソファにでーんと大胆に寝転んでいたいのちゃんと出会った。

窓から射し込む光を浴びながら、気持ちよさそうに眠る顔が綺麗で、天使かと思ったくらい。

俺は、この時に人生初めての一目惚れした。

『おまえだれ？』

『は？』

そう思った数秒後に、寝起きで掠れた声で喋ったいのちゃんに男かよ！ってツッコミをいれることになるのだけど。

今思えばなかなか失礼な出会い方だったなと思う。