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そして、
「会いたかった…」
やっと言えた一言。
俺が絞り出すように言うと、いのちゃんは俺の腕の中で小さく胸を叩いた。
手の震えが伝わってくる。
「おれも会いたかった…」
小さく答えたその人にたまらなくなって、俺は抱き締めた腕に力を込めた。
「もう会えないかと思ってた」
「待っててって言ったでしょ？」
「うん」
「彼女なんか作っちゃってさ」
「ぅ……ごめん」
「ううん、俺が待たせすぎた、ごめん」
昔よりも小さく感じる肩に愛しさがこみ上げてきて、
ドラマみたいな台詞だけど、もうこの人を絶対離さないって、ほんとにそう思ったんだ。
「俺、ずっと好きだったんだ」
2年分の想いを込めて、いのちゃんを抱き締める。
いのちゃんは真っ赤な顔で俺を見上げると、
俺にしか聞こえない小さい声で、
「おれも好きだったよ、ばーか」
と笑って答えてくれて、背伸びをして俺にキスをしてくれた。
再会のキスは、花の香りがした。
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作者名：あずまる*
| 作者ホームページ：http://ma-no homepage
作成日時：2017年12月2日 14時
