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この春、大学生になった。


親の都合で転校ばかりだった俺だけど、高校の1年間だけを過ごした街の大学を選んだ。


俺にとってのその1年はすごく大切で、


その後に転校した先でもちょいちょい連絡を取り合うようになった友だちも多い。





「おーい!ゆーてぃー」





大きく手を振りながら俺を呼ぶ彼もそう。


大学デビューとばかりに髪を金髪に染めた山田は俺の親友で、

転校して学校が離れても放課後を一緒に過ごしたりするような仲だった。


俺がこの街の大学を選んだのは山田の存在も大きくて、



『進学するならせっかくだし同じ大学にしね?』



そんな誘いを受けて、この街の総合科目が多い大学に進むことを決めたのだ。




「サークルとか決めた?」


「んー…まだ何とも。バンドとか、写真部とかも気になるし」


「ゆーてぃは多趣味だからなぁ」


「せっかくなら全然新しいことはじめてみるのもいいかなとも思うし」




新しい学校に新しい環境。

新入生たちはこれから待ち受ける学校生活に胸を踊らせているのだろう。

俺にとっては、この街のこの学校を選んだのにはまた別の理由があるのだけど。

▽→



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作者名:あずまる* | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2017年12月2日 14時

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