・ ページ5
照「前に言った事覚えてる？」
「ん？」
照「先生のことが好きって。」
少しだけ私の耳に近付いて小さな声でそう言う岩本くんに驚いてしまう。
「か、からかっただけじゃ…。」
照「んなわけないじゃん。俺も佐久間も本気だよ。」
あ、そっか二人は仲良いから…。
いや、そういうことじゃない。
え、何？
私生徒に本気で告白されたってこと？
照「ふふっ、先生焦ってる？」
「いや、えっと…。」
照「先生ってわかりやすいね。」
「そんなこと…。」
照「先生は副顧問だから毎日は来ないんだろうけど、時々は見に来てよ。」
「う、うん…。」
じゃあ俺走ってくるわ、と言って走り去った岩本くんを見送り、私は職員室に戻ることにした。
大「せーんーせー！！！」
職員室に戻ろうと廊下を歩いている私に猛スピードで向かってくる生徒。
「佐久間くん…。」
さっき岩本くんから二人とも本気だからとか聞いた後だし、今は会いたくなかったかも…。
そう思っても目の前の佐久間くんは私を探していたみたいだし、無理な話か、と諦めた。
大「先生！！陸上部の副顧問になったってほんと！？」
「あぁ、うん。本当だよ。」
大「えー！！！照ずるいじゃん！！俺も陸上部入る！！」
「え？でも佐久間くん運動苦手なんじゃ…？」
大「ハッ！そうだった…！」
目の前で大袈裟にそう言う佐久間くんを見ながら、この子はいつも元気だなと笑ってしまう。
大「作戦を練るのであります！！」
じゃね！っとまた勢いよく走っていく。
方向的にアニメ研究会の部室かな？
なんの作戦を練るのやら…。
宮「だいぶ懐かれてんね、佐久間に。」
後ろからそう言われて振り返ると、同期の宮田俊哉先生がいた。
「宮田先生、驚かさないでよ！」
宮「え？ごめんごめん、そんなつもりはなかったんだよ？」
宮田先生はいつもニコニコしていて、優しい。
そしてめっちゃオタク。
もちろんアニメ研究会の顧問。
俺もアニ研見てくるかー、と言って宮田先生は佐久間くんと同じ方へ歩いて行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊李 | 作成日時：2021年11月7日 22時
