副顧問です ページ4
新学期が始まって少し落ち着いた頃、新入部員が決まったのと同じタイミングで副顧問を紹介すると言われ、グラウンドに向かう。
北「いやーそれにしても意外だったわ、姫ちゃんが陸部の副顧問になるなんて。」
そう言って隣を歩くのは北山宏光先生。
大学時代の先輩でもあり、同じ学校で働くようになってからも仲良くしてくれている。
ちなみに国語科というのも同じ。
「北山先生、仕事中はその呼び方やめてくださいって言いましたよ？」
北「あ、そうね。まぁ今は誰もいねぇしセーフってことで。な？姫川先生？」
「相変わらずチャラいですね？ていうか、北山先生こそ、サッカー部じゃなくて陸上部の顧問って意外なんですけど？」
北「んー、俺なんでもできちゃうかんね！」
うん。やっぱりチャラい。
でもなんでもできるってところは本当なんだよなぁって思う。
グラウンドに着くと、各々練習していた陸上部の生徒たちが集まってくる。
北「よーし全員いるか？」
北山先生はそう3年生の部長に確認した後、一年生の仮入部期間が終わって正式入部となったことと、私が副顧問になったことを話した。
「前任の先生みたいにとはいかないかもしれないけど、頑張るからよろしくお願いします。」
なんか一言、と急に言われ、私はそう言って頭を下げた。
北「相変わらず真面目だなぁ…。」
笑いながらそう言う北山先生。
顔をあげると私を見てびっくりしている岩本くんと目が合った。
練習を再開するように言った北山先生の言葉に、部員たちはぞろぞろとそれぞれの場所へ戻っていく。
北「今日は練習見てく？」
「あ、はい。しばらく見ていこうかなって思ってました。」
北「じゃあその辺で適当に見て、適当に職員室戻ってくれていいから。」
そう言って北山先生は、少し離れたところで練習している部長のところへ歩いて行った。
照「A先生、お疲れ様。」
邪魔にならないように端の方にあるベンチに座って見学していた私の隣に腰掛けた岩本くん。
「岩本くんもお疲れ様。短距離のエースなんだってね？」
照「エースってほどでも…。てか、先生が副顧問ってまじ？」
「そうだよ？」
照「ふーん…嬉しい。」
そう言って笑顔を見せる岩本くん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柊李 | 作成日時：2021年11月7日 22時
