ニコイチな二人 ページ3
阿部side
今、俺の数メートル前に男子高校生が二人。
まぁ俺も二人と同じ男子高校生なんだけど…。
大「照ぅー、俺ね、今日先生に好きって言ったよ。」
照「え？俺も。」
大「は？」
照「は？ってなんだよ。(笑)」
大「いや…。朝いつも二人で話すって言ってたじゃん？そんで今日ね、先生へのアピール頑張ることにしたって言ったんだ。照は？」
照「朝のHR前にたまたま図書室で会って、高いとこの本取ろうとしてたから取ってあげて、ちょっと喋った時に好きだって言った。」
大「待って！ちょっと再現！」
そう言って佐久間はここ本棚ね、と言い出す。
大「先生が上の方のを取ろうとしてます。で、照は？」
照「だからこう、後ろから本を…。」
大「はい！照、それは反則！近すぎ！！」
照「それはさ、しょーがねーじゃん。てかさ、言っていい？先生のサイズ感、可愛すぎない？」
大「わーかーるー！！！」
さすが、周りからニコイチって言われるだけあって仲良いな…じゃないんだわ。
いや、いいんだよ。
男子高校生が恋バナしてるなんて普通のことだし。
でもさ、相手が先生なら話は別。
亮「ちょっと二人とも。いくら帰り道だからって声大きすぎ。」
大「阿部ちゃん！」
亮「二人が先生のこと好きなのは知ってるけど、あんまり外では言わない方がいいと思う。それで先生に迷惑かけることになったら嫌でしょ？せめて先生とか、名前伏せて話すようにしたら？」
そう言うと二人は確かにそうか…と言って、じゃあ先生のこと話す時はなんか隠語的なのを使うか、とかなんとか話し始めた。
俺は去年は照と同じクラス、今年は佐久間と同じクラスだ。
しかも今年は佐久間の推薦で学級委員になった。
亮「ねぇ、佐久間はなんで学級委員やんなかったの？先生と話すチャンス増えるのに。」
俺がそう聞くと、佐久間はぴたりと動きを止めた。
大「な…なんてこった…盲点だった！！」
照「でも佐久間って委員長ってキャラじゃねーじゃん。」
芝居じみた言い方でそう言う佐久間に照は笑ってた。
大「阿部ちゃん！先生とたくさん話すからって好きになっちゃダメだからね！？」
佐久間がそういうと照もハッとしたような顔をする。
照「阿部がライバルとか嫌だから！」
亮「え？でもそれはわかんないよね、これからのことだし。」
俺は必死な二人が面白くてそう答え、なんか言ってる二人に俺は二人にじゃあねと手を振って帰った。
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作者名：柊李 | 作成日時：2021年11月7日 22時
