Azalea〜２つの初恋〜 (ページ15)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:4,675 hit

・ページ15

岩本side

部活の後、筋トレをしていてつい帰りが遅くなってしまった。

帰ろうとした時、軒先に立っている先生を見つけた。

そして俺はちょっと頑張って駅まで一緒に帰ることに成功した。

今朝、雨が降るかも入れないからと無理矢理俺に傘を持たせてくれた母親に心の中でめちゃくちゃ感謝した。

先生の手を引いた時、女性の手ってこんなにも柔らかいの？とドキドキしたし、先生が濡れないようにと少し肩を抱き寄せた時はそのサイズ感が可愛過ぎてやばかった。

多分、気を抜いたらすげーだらしない顔になるだろうなってくらい。

照「A先生さ、俺がいなかったら走るつもりだった？」

「え！？なんでわかるの…？」

照「いや、なんかタクシー待ってるみたいな感じでもなかったし、よし！って言ってたから気合入れてたのかなって。」

「み、見てたの？」

恥ずかしそうに言う先生可愛い。

じゃなくて！

照「びしょ濡れになるのとかダメ。」

「大丈夫だよ？これでも身体は強い方だから風邪とかあんまりひかないし。」

照「それもだけどそうじゃない。」

「ん？」

照「服、透けちゃうでしょ。」

「え…。」

照「そんなので電車なんて乗ったら危ないから。ダメ。」

「そ、そんなの…誰も私なんて見てないよ？」

自分の魅力に気づいてないの？

俺や佐久間だけじゃないんだ。

先生のこと、好きって言ってるやつ。

同じ部活のやつらも、先生が副顧問になってテンション上がってたし、浮かれてた。

俺と同じ好きではなくても、先生を可愛いって言ってる奴なんていっぱいいる。

学校内だけでもそんなだし、一般的にも先生は目を引く見た目をしてると思う。

決して派手じゃないけど、なんか、小動物的な可愛さというか…。

そこまで考えて、本当に今日筋トレしてて良かったと思った。

駅まではいろんな話をして、先生のことを少し知れて嬉しかった。

駅に着き、方向が同じだから同じ電車に乗る。

俺の最寄りは先生の最寄りの隣駅で、先生の方が先に降りると言うことを知った。

「あ、岩本くん濡れてるじゃない！」

そう言ってバッグの中からふわふわなタオルハンカチを取り出し、俺の右肩を拭いてくれた。

あ、これやばい。

身長差があるから自然と爪先立ちになって拭いてくれる先生がたまらなく可愛かった。