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その数分後、チャイムが鳴りテストが終わる。
列の後ろの子が答案を回収し、それを私がチェックする。
今日はこれで終わりだから、このまま帰りのHRをしてしまう。
と言っても明日のテストの科目を確認するくらいで特に連絡もないからすぐに終わる。
「じゃあ明日のテストも頑張ってね。」
阿部くんの号令後、生徒たちは一斉に帰り始める。
私も職員室に戻ろうとした時、佐久間くんの相変わらず元気な声で呼び止められた。
大「先生先生先生！！」
「なーに？」
大「さっきのめっちゃ嬉しかった！！」
「…。」
大「まさか口パク返してくれるなんて！」
他の生徒はもうほとんどいないけど、佐久間くんは少し声の音量を落としてそう言った。
「もう、テスト中にふざけないの！」
大「はぁーい！」
全然悪びれてないニコニコ顔の佐久間くんに、もう、と少し怒って見せる。
大「あ！そうだ、今日一限目のテストってこのあと採点すんの？？」
「え？そのつもりだけど。」
大「あれめっちゃ難しかった！！」
「え？でも結構回答欄埋めれてたんじゃ…？」
大「あー、わかんないとこにね、先生の好きなとこ書いてたの！！」
「は！？」
大「へへへー！楽しみに採点してね！」
信じられない。
今回こそは良い点取ってくれたのかなってちょっと期待してたから、少し落胆する。
「もーおバカなんだから…。」
そう言って私は教室を出た。
数学の先生にテストを手渡し、自分の机にある一限目のテストの回答用紙をぱらぱらと捲って佐久間くんの回答用紙を確認する。
「うわ…ほんとだ…。」
ついそうつぶやいてしまう。
宮「ひーめ！キタミツがお昼食べに行かないかって！ん？それ佐久間の？」
いきなり後ろから声をかけられ、驚く。
「もう、びっくりさせないでってば…。」
宮「ごめんごめん。てか佐久間のその答案やばいね。愛溢れてんじゃん！」
そう言って笑う宮っち。
北「おーい、昼行かねーの？」
北山先輩に呼ばれ、私はとりあえず答案用紙を片付けて、財布を持って宮っちと一緒に職員玄関へと向かった。
テスト期間には学校近くのお店でお昼を食べることもよくあり、大体いつも先輩に誘われてこの3人。
今日は近くのラーメン屋さん。
さっきの答案の話を宮っちが持ち出すから先輩にも知られてしまった。
北「へぇー？佐久間やるなぁ！」
「笑い事じゃないんですよ！？」
私がそう返すと先輩は驚くことを口にした。
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作者名：柊李 | 作成日時：2021年11月7日 22時
