3.出会い ページ3
建物の角を曲がった先では男が2人、喧嘩をしていた
1人の貧弱そうな少年が一回りも大きいもう1人に何度も殴られていた
近くにあったゴミ箱の丸い蓋で必死に拳を防いでいる
「やめなさいよ!」
自分の中のヒーローへの憧れと良心が声を上げた
「おいおい、ガールフレンドが助けに来てくれたのかあ?」
「ええ。ガールフレンドよ。仇討ちに来たわ」
少年は近くのゴミ袋の上に座り込みながら驚いた顔をしていた
相手の顔を1発殴るが、呆気なくやり返されてしまう
心ではヒーローになりたいと思っていてもやはり体はそうはいかないらしい
このまま2人、こいつの気が晴れるまで殴られ続けるのかと思っていたが
「何してるんだ!」
兵士の服を着た男が相手を追い払った
「スティーブ、お前はいつものことだが…君は?」
「彼を助けに来た」
「それで、やり返されて負けたと?」
「負けてない。私は逃げてないから」
女なのに偉そうなことを言うな、とかまた馬鹿にされるんだろうな
そう思っていたが後ろにいた少年は嬉しそうにしていた
「女性なのに勇敢だ。助けてくれてありがとう。僕はスティーブ・ロジャース」
握手を求められた
貶されないことに戸惑いつつも手を握った
「私はA・デイジー。何も出来なくてかっこ悪かったけどね」
「そんなことない。君みたいな女性は初めてだ。俺はジェームズ・バッキー・バーンズ。一応兵士をやってる」
「やっぱり兵士なのね!」
いいなぁ…私ももっと鍛えないと。
国はこの人みたいな体格がいい人をたくさん欲しがってる
「買い物の帰りですか?」
「いいえ、徴兵検査の帰り」
97人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ