3 ページ4
上を向いて、目を閉じながら耳をすます。
風の音、人の声、それから川の音が聞こえる。
目を開けると
視界いっぱいに広がる青空。
雲がもくもくとたくさん浮かんでる。
けど、その雲の動きはすごくゆっくりで
動いているのか分からないほど。
まるで
「時間が止まってるみたい…」
視界いっぱいの空に動きがないと
不思議なくらい
時間が止まってるかのような感覚になる。
あぁ、もう一つたとえるなら
写真のなかに入り込んだような気持ちかなぁ。
あれ、ってなるから
急いで川の音がする方を見るけど
でもやっぱり
時が止まってるだなんてあり得ないよって
いうみたいに
速い川の流れが主張してくる。
上を向くと
時が止まってて
でも下を向くと
時間は進んでる。
へんなのー。
夢の世界にいるみたいなんだもん。
わたしはこの変な感覚がクセになって
上と下を目でいったりきたりした。
鴨川。
いままでだって、近くにあったのに
その良さに気づくことなく今まできてしまっていた
でも今日、ふと立ち寄って
わたしはたくさんの力をもらった。
みんながいろんな今を生きていることを
感じることができた。
何時間でもいられる居心地のいい場所
疲れた心をリセットできる場所なんだって知った。
そして、
非日常的な時間が流れている。
遠くに行かなきゃ、
京都からでなきゃ。
そしたらリフレッシュできる
そう思っていた。
けど、わたしが求めていた
わたしがわたしに戻れる場所、
心をリセットできる場所は
こんなに近くにあった。
気づけていないだけで、
きっとそんな場所が他にもあるのかもしれない。
また
悩んだとき、嬉しいとき、自分と見つめ合わないと
いけないとき、
まぁいつでも。
ここにこよう。
そして
わたしがまだ知らない
新しい世界を見つけていこう。
「また来るね、鴨川!」
来たときにはなかった笑顔が
今はもう、咲いている。
わたしは、またわたしを生きる。
わたしだけの今を。
鴨川 FIN
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:meeeta. | 作成日時:2017年6月13日 14時