信じる強さ。 (ページ9)

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Ｎｏ．9 ページ9

俺は深呼吸をして、口を開いた。

『昨日さ、雑誌の撮影でテーマ〝家族〟やったやろ？俺、ずっと隠しててんけど……俺、っ！』

無意識に手が震えてたのか、淳太が手を握ってくれた。

橙「ゆっくりでええよ」

『…俺な、オトン達と、、血繋がってないねん』

そう言うと、皆が息を飲むのが分かる。

『知ったのは、高校の時。
養子縁組の紙見つけてさ、それ親に見せたら俺は3歳の時に引き取った子って言われてん。
何が1番辛いって、それ萩花も夏恋も皆知っててん。ずっと、家族やって思っとったんは俺だけやってんな。』

『それで、なんかもうよく分からんくなって、
そん時、親友やった奴が相談にのってくれた。
でも、、そいつもさ、本間のこと知ったら手のひらかえしたように俺の事避けるようになってん。
それで学校中に噂が流れた。
芸能人のアイツは家族と血が繋がってへんくて、ずっとずっと他人に育てられてきた可哀想な子って。
親友やって思っとった奴が流した噂。』

『それから俺、もう誰の事も信じられへんくなった。怖いねん。きっといつか、人は裏切るんや。
俺さ、大好きやってん。
オトンもオカンも萩花も夏恋も。』

桃「……流星。」

赤「流星、俺らh…」

『でも！話したからって、やっぱり無理や。
みんなの事信じるん。ごめん。
しげ、ごめん遮って、そのあとの言葉聞きたくない』

俺はそれだけ言うと、淳太の家を飛び出した。

言った。言ってしまった。

どうしよう。

今までずっと萩花達と兄妹だって思ってたはずなのに。

“血が繋がってへんのによく一緒に居れるよなぁ”
“あいつが良くても親がなぁ、自分の子でもないのに育てんねんでー？”
“妹も可哀想だよなぁ”
“まぁ、一番可哀想なのはあいつやろうけどな”

また、またああやって言われるんや。

それもメンバーに。

それとも週刊誌にでもこの話売る？

そうなったら萩花達が、、。

って、なんであいつらのこと。

でも、赤の他人なんて思えへんよ。

はぁ、もう嫌や。