ヤンキー系な紅一点 (ページ33)

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ふと目を開くと、綺麗な朝焼けとキラキラ輝く海、タバコを吸っている樹が視界に入る。

そして、体に毛布がかけられていることもあり、どうやら寝てたみたい

車を降り、長時間縮こまっていた身体を伸ばすと、一瞬で冷たい潮風に包まれる。

「…ん？A起きた？？」

ドアの閉まる音で気がついたのか、タバコの火を消しながらこちらを振り向く樹。かっこいいなぁ。

『寒くないの？？』

ダウンジャケットのフードを被り、鼻の頭を赤くしている

「さみぃーよ笑」

なんて、少し凍えながら毛布を纏い、うちを抱き寄せる。その瞬間、潮風とまだ残っているタバコの匂い、気温と樹の体温に包まれる。そしてこの空間が凄く心地良くなるんだ。

『綺麗だね、景色。』

「それな。」

まだ少し海に隠れてる太陽が、うちらを真正面から照らしてる

「今日何しよっか」

『んー、食べ歩きしたいね』

「確かに、てか腹減った」

『それな笑朝ごはん食べに行こ』

なんて緩い話をしてる間に、徐々に太陽が丸くなる

「でも、もうちょっとこうしてたい」

なんて、うちの首に顔を埋める樹。ちょっと擽ったい…

そんな樹の頭を撫でると、こっち向いてと後ろに向かされ、またキツく抱きしめられたかと思えば、優しい触れるだけのキスが

『ふふっ笑どーしたの？笑』

珍しく甘い樹。こっちが照れんじゃん。笑

「今俺お前のことまた好きになった。今までよりもっと好きになった。」

なんて真剣な顔。

「もう少し先になるかもしれないけど、色々準備してるから待ってて欲しい。」

樹の言葉の意味が、うちの思っているのと同じか分からないけど、きっとそうなんだろうな

『いつまでも待つよ。』

そう言って今度はうちから抱きしめる。

耳元でありがとう。と嬉しそうな声が聞こえてこっちまで嬉しくなる

それから、またのんびり景色を見て、写真を撮って、どこで朝食をいただくか決めて…

気づいたら、太陽は斜め上からうちらを照らしていた。

「じゃあ、そろそろ行くか！」

『だね！』

優しく手を引かれながら、今日、そしてこれからの未来への期待が隠せない