ヤンキー系な紅一点 (ページ29)

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② ページ29

「向こう行かね？」

樹にそう言われ、近くにあった駐車場で食べることに

『このりんご飴、めっちゃ美味しい！』

「分かったから笑ほら、浴衣汚れるよ笑」

『樹、あーん』

「…うまっ笑」

美味しそうにりんご飴を頬張る樹の姿は何だか可愛らしくて、手に持ってるお酒とタバコが不自然。笑

『来年は花火見たいね』

「でっかいのみたいな。あ、飲む？」

『うん！』

そこから、今日あったこととか、これからしたいことを話してると、酔いが増してきたのか、樹がうちに寄りかかってきた。珍しいな。

『酔ってきた？』

「んーん、今日楽しかったな」

『だね、また来年も来ようね』

「A、左手出して」

樹に言われた通り左手を出すと、お酒やおつまみが入ってる袋から何か小さな物を取り出し、それを私の薬指に着ける。

『なにこれ。笑』

カラフルなライトが輝いている、おもちゃの青い指輪がはめられてて、どういうことか理解できなかった…笑

「来年も再来年も何十年後も、一緒にお祭りに行く約束」

『は？笑』

相当酔ってるのか、ふわふわした喋り方でそう言ってくる

「だからそれ無くすんじゃねーぞー」

『わかったよ笑』

ほんとにくだらない事だけど、何だか嬉しくて目が少し熱くなってる。おかしいな笑

「A、目きらきらしてる笑可愛いー」

『うるさい笑そろそろ帰ろ？』

「やだぁ、」

『ガキか笑じゃあ、樹の実家お邪魔する？』

「する！」

家族が大好きな樹は、すぐママに電話して嬉しそうに後片付けを始める。

『じゃあ行こっか』

「A、手出して」

そう言われて、また手を出すと、今度は嬉しそうにうちの手を握る。今日の樹はなんだか可愛い笑

『樹、ご機嫌だね笑』

「俺今すっげー、幸せ笑
来年も楽しみだな」

『だね』

樹の実家に向かう間、お祭り会場から聴こえる賑やかな音楽と下駄特有の足音が、私たちを温かく包んでくれた