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Aside
ひかり「静かになさい。たった今、Aが北条家の次期当主に決まりました」
私が頭を抱えているとお姉様が入ってきた。
そして、全員がお姉様の言葉に驚いている。
お姉様は私を見たあと、麻友美さんに近寄った。
ひかり「話は聞きました。Aの作戦は実行してください。物は私も極秘に作っていました。完成品もあります」
麻友美「ですが!!」
ひかり「…何?次期当主ではない私の命令は聞けませんか?」
麻友美「…いえ。分かりました」
麻友美さんが「準備を」と使用人専用のマイクに向かって呟いた。
これで大丈夫だ…それにしても
「お姉様、どうなさったのですか?」
ひかり「どうしたのかですって?…それはこっちのセリフよ!」
お姉様は珍しく怒っている様子でずんずんと私の方に歩いてくると、私の胸ぐらを掴み、そして握りこぶしを作ると勢いよく殴った。
麻友美「お嬢様!」
ひかり「何をしているの!」
勢いで床に倒れ、じんじんと熱くなっていく頬を押さえた。
麻友美さんが駆け寄ってきたが、片手をあげて止めた。
「何を……なさいますか…悔しいのですか!!次期当主になれず!」
ひかり「えぇ、そうね。悔しいわよ!ずっと私も、お前も!私が次期当主だと信じていた!でも、どうでもいい!北条A!お父様は姉であるこの私よりお前が次期当主にふさわしいと、この家をお前に預けたんだ!なぜか分かるか!!お前が私より、武力、知力共に優秀だからじゃない!」
だったら他になにがあるのよ…
涙が出そうな程に頬が痛むが、その涙がこぼれないようにお姉様を睨む。
ひかり「お前の人のためなら自分を犠牲にするその優しすぎる心を分かっていたからよ!昔お前は"私が代わりになるから"ってそれからひたむきに努力を重ねてきた!恋心までしまって!」
「だからなんだって言うのよ!私なんか死んだって構わない!」
ひかり「…お前は人がどれだけAを必要としているか分かっていない。心配なのよ…たまには姉の仕事をさせてよ…」
床に座り込んでいる私の肩に手を置いて静かに涙を流していく。
すると、扉が開いて5人が入ってきた。
大野「A。死んだって構わないなんて言うな。悲しくなるだろ?」
山田「A!」
周りには本当に心配そうな顔をしていた皆がいた。
「…ごめんなさい」
私はどうして皆の気持ちに背を向けていたのだろう。
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あややま(プロフ) - あややまさん» 間違いです (2020年7月5日 22時) (レス) id: 19b6ab4822 (このIDを非表示/違反報告)
あややま(プロフ) - あややまです (2020年7月5日 22時) (レス) id: 535db6d6e3 (このIDを非表示/違反報告)
やぶねこ(プロフ) - 今日初めて読みました!!めちゃくちゃ面白いです!!続きが気になります!更新まってます!! (2019年8月13日 23時) (レス) id: 9dd53b3b35 (このIDを非表示/違反報告)
宵の桜吹雪(プロフ) - とても面白いです更新頑張です (2019年5月21日 22時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あややま | 作成日時:2019年4月20日 12時