9話 ページ9
いちごを手に取って戻るとパチリ
お人形の中の白いのと目が合う
あちらもそれに気づいたように慌て始めた
『あの子私達が見えているんじゃない！？
今目が合ったわよ！』
『嘘おっしゃい
そんなわけないじゃないですの！』
『嘘じゃないわよ！』
私がまた揉め事の原因を作ってしまったようだ
4人はそれに気づいていないのか黙々と手を動かしている
私は関わるのが面倒で
また見て見ぬふりをした
私が今からやるのは簡単なことだ
少しほろ苦いクリームにイチゴをのせるだけ
苦味を出すためにビターチョコを織り交ぜる
やっと完成したパンケーキ
「ねえ終わったらどうするの？」
「もう終わったの？早いね七瀬ちゃん」
そんな言葉よりもどうすればいいのかが知りたかった
「先生を呼ぶんだよ
Ａグループ葉月終わりましたって」
「そうなんだ。ありがとう真
Ａグループ葉月終わりました」
「Ａグループ樫野終わりました」
さっきまで私に説明していた彼の手元を見てみると
チョコレートをベースにしているのか
甘くほろ苦い香りが私の鼻の周りを漂う
「はい。では葉月さんのから」
マイフォークらしきフォークで私のパンケーキに切れ込みを入れる
私的に少し空気が入りすぎたかもしれない、と反省していた
「…っ！？凄いは葉月さん口の中で溶けるようにパンケーキがなくなって
クリームのほろ苦さがその甘味を抑えるように…
Ａグループ+50点」
何を言っているのかわからなくなり私の精神は空へと昇っていた
周りからの痛い視線に今日は慣れてばかり
「では次に樫野くん」
樫野のパンケーキを口に入れると目をつぶって頷き静かに言った
「Ａグループ+50点」
少しの静寂を打ち破るようにみんなが騒ぎ立てる
「すっげえ！
Ａグループ合計100点プラスだ！」
「あの転校生やばい！」
「てか樫野くんと並ぶと絵になる！
まじ美人！」
自分の技量を褒められて悪い気はしない
だが顔には出したくなくてポーカーフェイスを決め込んでいた
そんな中Cグループでも手が上がる
「Cグループ倉田できました｣
みんなの視線が私から唯斗に向かった
唯斗の手元を見ると薄く緑色のパンケーキが目に入った
抹茶がベース
老舗の和菓子屋の後継としての技量だろう
少し交わった視線がその余裕を見せていた
「Cグループ+50点」
唯斗はこちらに小さくピースをしていた
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綾鷹(プロフ) - 玖蘭零☆さん» ご指摘ありがとうございます！ (2017年11月13日 1時) (
レス) id: 6b88b77acb (このIDを非表示/違反報告)
玖蘭零☆(プロフ) - 夢色パティシエール懐かしいっす！！！ オリジナルフラグは外してくださいね〜！！ 編集画面のところで下に下がると｢■実在人物・団体・キャラクター、不使用のオリジナルコンテンツである｣という項目があるのでそこのチェックを外せば大丈夫ですので (2017年11月13日 0時) (レス) id: 449d26bdad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾鷹 | 作成日時：2017年11月13日 0時
