4話 ページ4
「アンリ･リュカス！？まじかよ」
エレベーターから出てきた男の子の声が耳に入る
彼はちょっと有名らしい
適当に名刺をポケットに入れピアノを弾くのをやめた
集まっていた観客がちりぢりに消え、元の1人にもどった
さすがにそろそろお母さんが来るだろう
ピロンッメッセージ受信の音だ
スマホを見るとお母さんからのメッセージがきていた
〈もうすぐ着くから見えるところにいてね〉
〈おっけー〉
元いたソファに腰掛ける
弾き疲れて私の瞼はとても重かった
いつの間にか私は寝ていた
「─っ！─七瀬！」
目が覚めるとお母さんが私の肩を揺らしていた
ロビーの時計を見ると披露宴まであと10分と言うところだった
「七瀬！もう会場開くわよ」
「うっそ！すぐ行く」
私は体を起こして会場の重い扉を開ける
席は親族と言う部類で固まっている
出席したのはおじいちゃんと私とお母さんの3人
あっちの親族は私ぐらいの男の子とその家族らしき人たちだ
調べてみれば樫野とはあの有名な樫野総合病院の家だった
代々なのか顔はみんな超美形
マリがいたら大喜びだろう
話しかけづらい雰囲気も醸し出している中、
お母さんは樫野の家の人に話しかけていた
式会場で顔見知りになったらしい
何故か私とそこの息子くんはそこらへんで遊んでなさい、の雰囲気になった
とても気まづい
「行こうぜ」
「あ、うん」
それから少し話して彼は樫野真という名前で
歳は同じ中学2年生
無愛想だけどどこか懐かしい雰囲気の男の子
しばらくして会場からお母さんと環さん、おじいちゃんが出てきた
「環さん！」
会場の出口までの階段を一段飛ばしでかけのぼる
コツンッ軽い音とともに右足を締め付ける感覚がなくなった
そして後ろから乾いた笑い声が私の耳に届く
「おいっくつ落としてんぞ…っはは」
顔がタコのように赤くなったかもしれない
この感じ２回目だ懐かしい
シンデレラ
「ほら靴」
「あ、ありがと…！」
荒く靴を受け取って環さんの後ろに隠れる
モデルのように綺麗な環さんはにこにこと笑っていた
「あらあら七瀬ちゃんどうしたの？」
「七瀬ちゃんって言うのか、真と仲良くしてくれよ」
環さんの横に立っている背の高い男性が私の顔を覗く
彼が幸隆さんだろうか樫野の家だけあって顔は一級品だ
「七瀬、私たちは帰るわよ」
「あ、うん」
別れ際に一言
「じゃあなシンデレラ」
ああ、どうにかなってしまいそうだ
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綾鷹(プロフ) - 玖蘭零☆さん» ご指摘ありがとうございます！ (2017年11月13日 1時) (
レス) id: 6b88b77acb (このIDを非表示/違反報告)
玖蘭零☆(プロフ) - 夢色パティシエール懐かしいっす！！！ オリジナルフラグは外してくださいね〜！！ 編集画面のところで下に下がると｢■実在人物・団体・キャラクター、不使用のオリジナルコンテンツである｣という項目があるのでそこのチェックを外せば大丈夫ですので (2017年11月13日 0時) (レス) id: 449d26bdad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾鷹 | 作成日時：2017年11月13日 0時
