綾野さんち。01

▽01-14 ページ14

龍「あ、そーいえばAは俺の弟会ったことある？」


「ないよ？」



てかそもそも弟いたんだ。




龍「えー、俺がいうのもなんだけど結構有名な気がするんだけど…。あとイケメン。」


「会いたーい！」



そりゃあ、イケメンには会いたいわ。
ってか普段イケメン見すぎててわからなくなってるけど私…。
大学にいた人みんな背低いなーとか思っちゃったし…。



龍「今度連れてくるわ。」


「ん。あ、着替えてくるね。」



スーツはなんだか疲れる。
龍平さんはしょっちゅううちにいるけどなんだかんだスーツのが多い。大人はすごいな。



普段はラフな格好が好きで、メンズライクやストリート系。剛くんのお下がりをもらったりもする。


剛くんすぐ服捨てるから…。




「龍平さんはいつもスーツですごいね。」



龍「慣れだよ、慣れ。俺も入社したては嫌だったけどなー。」



そういえば龍平さんって、この仕事始める前って…？


…私は案外周りの人のことをあまり知らないのかもしれない。



映画もドラマもよく見るけど、偏りがあるし、ネットは資料集めくらいしか使わないし、案外世間知らずなのでは…？





「龍平さんって私のマネージャーやる前って何してたの？」


龍「お前、知らなかった！？」




心底驚いた顔をしていた。


…これからはもっと外に目を向けよう。




龍「…役者だよ。『船を編む』が最後だけど。」



…！？



「出てた！？」


龍「主演だよ…(笑)」



呆れたように笑う龍平さんは、目を細めて私の髪を撫でる。

▽01-15→←▽01-13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す