▽01-05 ページ5
トントン拍子で話は進み、剛くんと同居することになった。
剛「んじゃ、明日引っ越してくるね〜。あと片付けも手伝うから、いるものといらないものだけ分けといてね。」
剛くんは物腰は柔らかいけど、一度決めたら曲げない。
なんていうか、頑固だ。まあそこは私もなんだろうけど。
「剛くん、ありがとう。」
口には出さないけれど、剛くんは私が一人にならないようにしてくれたんだと思う。
剛「俺のためでもあるから。明日からよろしくね？」
ぽんぽんと頭を撫でられ、剛くんは一度自宅へ戻った。
…かっこいいなぁ。さすが俳優さん。
次の日、9時ぴったりにうちに着いた剛くん。少し大きめの(と、言っても旅行するとしたら一泊分くらい)ボストンバックだけ持っていた。
「もしかして荷物、それだけですか…？」
剛「うん。部屋の契約自体はまだ残ってるからちょこちょこ取り行けばいいかなーって。そもそも荷物あんまりないしね〜。」
…あんまりないのレベルじゃない。
殺風景だと思ったけど、30歳の男の一人暮らしで、そんなに荷物ないものなの！？
「…ねえ、普段ご飯とかってどうしてるんですか？」
剛「外食かコンビニか…。あとはUber！」
あんまりにもいい笑顔だったから思わず吹き出してしまった。
つられたように、剛くんもまた笑った。
剛「じゃあ、不束者ですがよろしくお願いします。」
不敵に笑ってから少しだけ頭を下げた。つられて会釈を返して、剛くんを家にあげた。
3LDKの私の家。広めのリビングとカウンターキッチン。ここでご飯を作るお母さんを見てるのが好きだった。
奥の書斎はお父さんの部屋。本が好きだったお父さんの部屋は、壁一面本が並んでいて、それだけでは飽き足らず、積まれた本もたくさんあった。
それとお父さんとお母さんの寝室と、私の部屋。
「とりあえず、粗大ゴミの申請とかはしといたけど…。剛くんはこの部屋使ってもらうってことでいい？」
剛「ん、ありがと。ベッドとかも捨てちゃう？」
「残しといても仕方ないからね。」
さっとスマホを取り出したと思ったら、友達らしき人に電話をかけている。
剛「助っ人呼んだ。片付けよっか。」
腕まくりをしてやる気満々だけど、なんか前途多難な感じが…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつ(プロフ) - これは泣きますって悲しすぎます、応援させていただきます頑張ってください！ (2021年5月10日 3時) (
レス) id: 39b211e520 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん(プロフ) - はじめまして、お尋ねしたいことがあります。父方のおじいちゃん、おばあちゃんは広島から来てますが岐阜に帰ったのは母方のおじいちゃん、おばあちゃんでしょうか？ (2021年3月15日 4時) (レス) id: bdbd506a34 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ - はじめまして！このお話すっごく好きです！ (2021年3月7日 10時) (レス) id: 422e882b2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sei | 作成日時：2021年2月23日 21時
