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吸血姫は眠りを知らない2 ページ3

「姉さま、お菓子ちょうだい」

クマのテディを片手に抱え、小さなもみじ型の手をこちらに突き出してくるのは4男のカナト。

「はぁい。どーぞ」

カナトに会うと必ずお菓子を要求されるため、予め作っておいたお菓子を常備するようになった。お菓子を食べている間はお菓子に夢中なので膝に乗せながら頭を撫でたりしている。
カナトも嫌な様子がなく、むしろ撫でている手に頬を擦り寄せて来ることもあり、その度に私は鼻血を出すのを我慢している。うちの弟、ほんと天使。

血に慣らすという目的も含め、お菓子にAの血を混ぜているが今のところ気付かれてはいない。
そうこうしているうちにコーデリアからお呼びがかかったカナトは名残惜しそうな目でこちらを見ながら、部屋を出ていった。

窓からコーデリアのために歌い始めたカナトを眺めていると、アヤトやライトと混じって遊ぶことなくシュウとベアトリクスが居る部屋を嫉視の表情で眺めているレイジが目の端に止まった。

「レイジ...」

ベアトリクスがレイジを愛していることは確実なのだが、愛情表現が苦手なベアトリクスがそれを上手く伝えられるかと問われれば否である。Aは外に出ると、レイジに声をかける。

「へい、そこのイケてるボーイ。お姉さんと遊ばない?」
「...」
「へ、へい。ボーイ...」
「...」
「へへっ、良いもん。お姉ちゃんなんて芋虫以下なんだ。へっ」

こちらを見ながら、返事をするでもなく棒立ちしているレイジにAは分かりやすくしょげる。隅に三角座りをしながら、人差し指で地面にのの字を描き始める始末。レイジは一つため息をつくと、そんなAを横目に見ながら口を開いた。

「部屋の中から僕を見ていたのが見えましたよ。どうせ同情でしょう?」
「うっわ、卑屈...」
「...っ、」

Aは一瞬悲しげに目を伏せると、レイジの頬を両手で優しく包み込んだ。

「私が同情なんて一時の感情で動く人間に見える?」
「見えます」
「お姉ちゃんそろそろ泣くよ!」
「ふふっ」

人の必死な顔を見て笑うレイジに頬を膨らませ、両手でレイジの頬をつねる。

「えっ、何このもちもちフェイス...」
「ひひょのきゃおであひょびゃにゃいでくじゃひゃい」
「にゃいでって...」

猫のような言葉にレイジの顔を見ると、何となくレイジの顔も猫に見えてくる。

「ははっ、可愛い可愛い」

私の言葉に噛み付いてくるレイジに口では反論しながらも、表情は笑っていた。
それはレイジにも言えることであった。

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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね!私逆ハー大好物なので嬉しいです!ディアラバのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってくださいね! (2023年4月17日 21時) (レス) @page7 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてます! (2021年2月13日 3時) (レス) id: 2d9e53b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
*SSU* - つ・づ・き・が・た・の・し・み♪ (2020年4月28日 10時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆた - つづき楽しみにしてます! (2020年3月8日 10時) (レス) id: 6c85c6c733 (このIDを非表示/違反報告)
- わぁー! 返信ありがとうございます。応援しています! (2019年10月10日 21時) (レス) id: 090390c6c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜蘭 | 作成日時:2019年5月15日 19時

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