【閑話】オレ様の姉さん ページ13
目の前で突然胸を抑えながら倒れた姉にアヤトは駆け寄る。
姉の胸に耳を近付け、鼓動がないことに焦りを覚えたが、すやすやと寝息が聞こえてきた。気持ち良さそうな顔で眠っている姉を見、冷静さを取り戻す。
「端っから、心臓なんて動いてる訳ねぇじゃねぇか」
姉の安否が確定すると、先程の慌てふためく自分の姿が思考を邪魔してくる。アヤトはそれを振り切ろうとするが、アヤトの素直な性格からくる顔に集まった熱は一向に引く気配はない。
姉は時々母であるコーデリアから逃げたアヤトに勉強を教えてくれる時がある。
最近は来年初等部に入学するレイジの復習に付きっきりで回数も減ってきた。去年はシュウの初等部入学で忙しそうだったため、再来年入学のアヤトにも付きっきりで教えてくれるのだろうが、三つ子のアヤトらに一人づつ時間を割くのは容易ではない。
三人同時になるか一人一人に割く時間が減るのだろう。
「チッ、調子に乗りやがって......」
去年のシュウの得意げな顔を思い出したアヤトは顔を歪め悪態をつく。
だが、来年は姉も中等部への入学するため勉強に追われる。レイジに割かれる時間は再来年の自分よりも少ないことだろう。アヤトは不敵な笑みを零した。
「んぅ...我が愛しのライト...可愛いよぉ...むにゃむにゃ」
優越感に浸れたのも束の間、脳天気な笑を浮かべながら姉は寝言を洩らす。
夢の中で姉を独占しているのが、自分ではなくライトであることにアヤトは眉を寄せ、姉の鼻を指でつまんだ。フゴッと、珍妙な鳴き声をあげ苦しそうに身をよじる。
アヤトはAが起きていたら、ドSな笑み！そんなアヤトも素敵！と半狂乱になるだろう笑みを惜しげも無く浮かべた。
「これじゃあ、本当に豚だなぁ？」
「く、苦しい...ライトぉ」
それでも尚夢の中で姉を独占するライトへの苛立ちと、俺よりもライトの方がいいのかよという寂寥感が混ざり、頭で考えることを好まないアヤトは行動に移した。
Aの髪を梳くことで避け、耳に唇を寄せる。
「ライトじゃねぇ...アヤト、だろ？」
しばらくの間、静寂が部屋を包みAは綻ぶような笑を浮かべアヤトの名を口にした。
「.....アヤト」
「...っ、」
アヤトは顔に手を伸ばす。どんな表情をしているのか、手から伝わってきた。
顔が熱を帯びているのではないかと錯覚すらも覚え始める。
自分が一番な筈なのに姉に振り回されているという状況に眉を寄せながらも、姉の寝顔を見たらそんな事などどうでも良く感じた。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね！私逆ハー大好物なので嬉しいです！ディアラバのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月17日 21時) (
レス) @page7 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
しゅり(プロフ) - 続きが気になります！更新楽しみにしてます！ (2021年2月13日 3時) (レス) id: 2d9e53b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
*SSU* - つ・づ・き・が・た・の・し・み♪ (2020年4月28日 10時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆた - つづき楽しみにしてます！ (2020年3月8日 10時) (レス) id: 6c85c6c733 (このIDを非表示/違反報告)
神 - わぁー！ 返信ありがとうございます。応援しています！ (2019年10月10日 21時) (レス) id: 090390c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2019年5月15日 19時
