悪魔度4％ ページ5
＿＿あれから早数年。
(正体を暴くなどと豪語したものの、未だ決定的な証拠は掴めぬまま数年も経ってしまったわ...)
数年前に比べて、私の人外化が激しくなってきているように感じるのは気の所為では無いだろう。
まあ、その事については目的を達成させる上において重宝するのでいいが。
あの不気味な執事も、ファントムハイヴ家の執事として日に日に馴染んで来ているように感じる。
新たに使用人も三人増えたらしくこの件についてはリジーに(無理矢理)連れて来られなかったら気付けなかった変化だ。
感謝はしていないし、するつもりも無いけれど
そんな事をつらつらと考えていると、屋敷の前に馬車が止まった気配がした。
(どうやら住処を奪われた哀れな子羊がお帰りのようね......)
「あっ、！」
屋敷前ではひしひしと感じられたノエルの威厳の混じった雰囲気が、屋敷の成れの果てを目にした瞬間驚きに歪んだ。
「どうしまし......っ、た！？」
因みにノエルの進行の妨げにならないよう、数歩横にずれて扉を開けながら待機していた執事はそれ故に反応が遅くなってしまったらしく普段のすまし顔が嘘のように驚きで顔がこわばっていた。
だがそれも一瞬の事で、次の瞬間にはいつもの読めない笑みに戻っていたが
今回の被害者である三人の使用人がノエルと執事に泣き付いているのを横目に、リジーの奇行に興味を失った私は屋敷の壁に寄りかかりながら、極力気配を消し淡々と読書に励んでいた。
「つまらないわね......」
私は残り数ページという所まで読んだ本を栞もせずに閉じた。
ただでさえ、私の興味を引くには内容が薄く面白みのない小説が、先程の人物の影が頭にちらついて落ち着きがない私の今の状況に更に拍車がかかって余計につまらなく感じる。
── ─...先程の男
良く言えば、透明感があってふとした瞬間に居なくなってしまいそうな人間。
悪く言えば、死んでいるのか生きているのかあやふやで、どちらの境界線に立っているのか分からない奴。
(どちらにしても厄介な奴には変わりないけれど、前者は人間なだけ大分ましだわ。)
「問題は後者......ね」
首から吊るされている形でノエルと執事に発見されたらしい男を眺めながら、私はその深い紅色の目を細めた。
「そこの方もあの人止めてくださいよ〜！」
リジーの手により兎耳された少年が半泣きで私に言った。
一応気配は消していたのに気付いていたらしい、他の二人も。
(一体ノエルはどんな使用人を雇ってるのよ...)
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年8月12日 12時) (
レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - カレンさん» カレン様感想ありがとうございます。面白という言葉は何よりも嬉しいです。続きを期待してくださる読者様が居ると思うだけでエタり防止になります！ (2019年5月26日 11時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが凄く気になります！ (2019年5月25日 19時) (レス) id: 888a8c406f (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - 架印�靴気�» 架印�畦祐響曚△蠅�とうございます。誤字報告、直させていただきました。作者にも把握しきれていない誤字脱字があるなか、このように報告して下さるのは有り難いです。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 悪魔度３％ 服装に関する描写があるので、“洗脳”ではなく“洗練”ではないかと。 (2019年3月28日 23時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2018年8月30日 20時
