悪魔度16％ ページ17
「んー、全くこの家はどこにお茶しまってんのかしら」
「見当たらないね」
「やだ、そんな所にあるわけないでしょ」
愉快そうでありながら上品さも兼ね備えている笑い声と共に、目の端に赤色のコートが映る。しゃがみこんでいる長袍姿の男や、奇妙な執事まで居る。
「マダムレッド！劉！何故ここに！？」
「あら、早かったじゃない」
「伯爵が来るってことは......アレだろ？」
「女王の番犬が動き出すのね」
二人を発見した時のアホズラは何処へやら、ノエルの顔は意味深げに引き締められている。
(自分から着いてきてなんだけれど、猛烈に帰りたいわ)
幸い高身長の執事の後ろにいるため、バレていないようだ。私がここにいない定で、何事も無かったかのように話が進行しないだろうか。帰っていいだろうか。
「......え、」
ノエルが私について話し出す前に別荘から出ようと、執事のシルエットからはみ出さないよう忍び足をしながら後ろ向きで歩く。廊下に出るまでもう少しという所でアン叔母様の姿が少しだけ見えた。
＿＿禍々しく赤黒色に染っている魂と共に。
「あら！Aじゃない。久しぶりね〜、相変わらずの仏頂面」
「デートかい？おや、少し伯爵に似てるね？仏頂面なところとかさ」
「Aと一緒にするな」
「そうよ。この小生意気なガキと一緒にしないでもらいたいものね」
少し口を滑ってしまった。アン叔母様の魂の余りの変化に対しての驚きが理性を鈍らせてしまったのだ。それにしても、この急速な魂の変化はなんなのだろう。こんな例、私でも初めてお目にかかる。
執事の手により、紅茶とケーキ等が用意されそれぞれが席に着く。
「昨日またホワイトチャペルで娼婦の殺人事件があった。ただの殺人事件ではない。猟奇的、いやもはや異常と言っていい」
「今回の被害者、メアリアン・ニコルズ何か特殊な刃物で原型を留めない程めちゃくちゃに切り裂かれていたそうです」
ノエルと執事の口から、予め私が調べていた内容とさして変わらない説明が出てくる。
なおも説明が続き、一段落した所で劉という男が口を開いた。
「ふっ、君達にあの現場を見る勇気があるのかい？」
「どういう意味だ」
私の事も含めて言っているのかと、目を細め目線だけを劉に向ける。
「現場に充満する闇と獣の匂いが、同じ郷のものを蝕む。足を踏み入れれば狂気に捕われてしまうかもしれないよ。その覚悟はあるのかい？」
そう言うと、両サイドに座っている私とノエルの頬を優しく撫でた。
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年8月12日 12時) (
レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - カレンさん» カレン様感想ありがとうございます。面白という言葉は何よりも嬉しいです。続きを期待してくださる読者様が居ると思うだけでエタり防止になります！ (2019年5月26日 11時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが凄く気になります！ (2019年5月25日 19時) (レス) id: 888a8c406f (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - 架印�靴気�» 架印�畦祐響曚△蠅�とうございます。誤字報告、直させていただきました。作者にも把握しきれていない誤字脱字があるなか、このように報告して下さるのは有り難いです。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 悪魔度３％ 服装に関する描写があるので、“洗脳”ではなく“洗練”ではないかと。 (2019年3月28日 23時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2018年8月30日 20時
