悪魔度12％ ページ13
「マグカップが...」
リジーももう覚えていないだろうが、私の誕生日の日にリジーがプレゼントしてくれた物だった。
もしかかしたら直せるかもしれないと言う僅かな期待を抱き、私はカップの破片を拾おうと手を床に伸ばす。
＿＿パリンッ
「いきなり召喚されたと思ったら、妾を召喚したのがこんな小娘？」
「...っ、」
「...？あら、良く見たら貴方アイツが言っていた小娘じゃない」
女は綺麗に弧を描いている唇を更に釣り上げ、そしてため息を着いた。
「やはり、あのボンクラの見間違えね。こんな小娘が主様な訳ないわ」
＿＿パリッ、ジャリ
女はそう言うとその場を離れようと窓際まで歩いて行く。だが、何を思ったかいきなり歩みを止め此方を振り向いた。
「それにしても、貴方の様な小娘と主様を間違えるなんて...」
此方を振り向いた女の顔に表情は無く、空いた窓から照らす月の光が反射した瞳は此方を捉えているかのように輝いている。
「お前...生意気ね」
すると女の足元から黒い影のようなものが生き物の様に出てきた。
その黒い影は女の足元を中心に周りを巻き込みグルグル回り、もはや原型を留めていないマグカップの破片をも巻き込んだ。
「い...か....に」
「何？命乞いかしら？」
そう言う女は先程の何も乗せていない表情のままだが、瞳の中には此方を蔑んでいる色がハッキリと見える
「...いい加減にしなさい」
「小娘如きが妾にお願いかしら？そんなものを妾が聞き受けるとでも思って？」
「これはお願いじゃないわ」
「...っ、」
そこまで言うと女の瞳は私では無い誰かを重ねているような色を示した。
だが、そこまで考えられる程の余裕は今の私には無い
「＿＿命令よ」
「はっ、あの男も主を間違える程愚かでは無かったという事ね...」
「今は私が話しているの。お前じゃないわ」
すると女は目を伏せ、自身の膝を地につけ跪いた。
先程の態度からは想像出来ない程のこの女の今の態度に普段の私なら驚いていただろう。
たが＿＿
(この女の今の態度が当然の事のように感じるのよね...)
当然だが、私に人を跪かせて喜ぶような趣味は無い。故に私は何故この女の行動を当然の事のように受け入れられているのか分からなかった。
私はこの混乱が相手に伝わらない様に表情筋を引き締める。だからだろうか...
「マグカップを元に戻しなさい。」
出来る筈の無い事を言ってしまったのだ。当然この女からの返答は期待していなかったが
「承知しましたわ。我が主」
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人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年8月12日 12時) (
レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - カレンさん» カレン様感想ありがとうございます。面白という言葉は何よりも嬉しいです。続きを期待してくださる読者様が居ると思うだけでエタり防止になります！ (2019年5月26日 11時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが凄く気になります！ (2019年5月25日 19時) (レス) id: 888a8c406f (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - 架印�靴気�» 架印�畦祐響曚△蠅�とうございます。誤字報告、直させていただきました。作者にも把握しきれていない誤字脱字があるなか、このように報告して下さるのは有り難いです。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 悪魔度３％ 服装に関する描写があるので、“洗脳”ではなく“洗練”ではないかと。 (2019年3月28日 23時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜蘭 | 作成日時：2018年8月30日 20時
