悪魔度11％ ページ12
「ふぅ。ここの棚の本は全部読めたわね」
私は視線を横にズラす。そこには今やっと読み終えた棚と同じ大きさの同じ量の本が収納されている棚がズラリと並んでいた。はぁ、気が滅入るわね
とは言っても、棚に収納されている本を全て読んだわけではなかった。
「悪魔…ねぇ？」
そう、私が読んでいるのは悪魔について記してある書物
「う〜んっ」
そう言って私は伸びをする。いつもならばポキポキと背骨がなる所だが今日は鳴らなかった。
それに、普段はずっと同じ体制で居ると肩が凝るため休憩を挟んでいたので一日に棚の半分ぐらいの量しか読めなかったのだが、今回は身体の調子が良いため棚一つ分を読めた。
この身体の調子の良さの原因の人物とは執事──『セバスチャン』なのだが。
今日猫の姿でいつも通り情報収集の為にノエル宅に行ったのだ。
最初は視覚しか共有出来なかった私だが、日に日に上達して行き今では身体の制御、感覚から痛覚まで共有出来るようになった。とは言っても感覚や痛覚を共有しても何も利点はない為、今日は試しに感覚や痛覚も繋げて調査にいったのだ。
それ故に、普段は猫自身が感じていた感覚を私が感じる事になったのだ。
はっきり言おう。気持ち良かった。
猫の扱いに長けているのか、執事が触るツボは身体の凝りなどが全て消えて行く様に感じた。マッサージされてる最中にどさくさに紛れて肉球を触られたが、気持ちいいので許したぐらいだ。
執事は肉球を触りながら異様に驚いた顔をした後、冗談抜きでこの世界の婦人全員を虜に出来るであろうぐらいの微笑みを零した。そう言えばと、この身体の猫は肉球を触られるのが嫌いな様で触られそうになったら逃げていた事を思い出す。
(あ、執事の回想などどうでもいいのよ。さっさとあの棚の書物にも目を通さなければ)
そう言って私が次の棚に手を伸ばした時だった。
──バサッ
頭上から一冊の分厚い本が落ちてきた。私はその本が落ちて行く先を見て急いで身を乗り出す。そこには飲み終わってカラになったカップがあった。
私がカップを手に持ち安心した瞬間。自分の体制を思い出し焦る。だが一足遅かった。
私はそのまま体制を崩し前のめりになり倒れた。その拍子にカップは手から離れて行く。私は急いで手を伸ばしたが、伸ばした手が掴んだのはカップの破片であった。
「いっつ、」
勿論の如く私の手からはカップの破片により血が出た。そしてその血は書物に描かれた魔法陣の真上に吸い込まれて行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年8月12日 12時) (
レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - カレンさん» カレン様感想ありがとうございます。面白という言葉は何よりも嬉しいです。続きを期待してくださる読者様が居ると思うだけでエタり防止になります！ (2019年5月26日 11時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが凄く気になります！ (2019年5月25日 19時) (レス) id: 888a8c406f (このIDを非表示/違反報告)
桜蘭(プロフ) - 架印�靴気�» 架印�畦祐響曚△蠅�とうございます。誤字報告、直させていただきました。作者にも把握しきれていない誤字脱字があるなか、このように報告して下さるのは有り難いです。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: c765aa0ae8 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 悪魔度３％ 服装に関する描写があるので、“洗脳”ではなく“洗練”ではないかと。 (2019年3月28日 23時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜蘭 | 作成日時：2018年8月30日 20時
