人気歌い手はTwitter恐怖症 (ページ12)

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8日目ページ12

A Side

ﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾚﾝﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾚﾝﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃﾃ……

せーので送信ボタンを押して数秒後。既読が着いたと思ったらすぐになり出すライン通話。

え、え？

絶賛困惑中だけど待たせるのは嫌なので、出てみる。

『はい……』
《あ、いきなりごめんなさい！いてもたってもいられず！！》
『あ、いえ、』
《それで！！あの返事は、ほんとですか！？》
『あ、はい。嘘はつきません』
《っ～～～～！！よっし。じゃあ、早速なんですけど、…………》

無言で悶えたかと思ったら、今度は真顔(多分。声色的にそうだった)でガッツポーズしてきたよ、この子。忙しいね。ｳﾝ｡

頭の片隅でそんな茶番を繰り広げつつ、説明に耳を傾ける。なんでも、今月中に顔合わせとセトリ決めがあるから、その打ち合わせに出て欲しいんだそう。
まあ、メンバー聞いた感じだと知ってる人多いし、そらるいるし。大丈夫かな。後で住所を送って貰うことにして、電話を切る。

久しぶりの、コラボ。久しぶりの、ライブ。そして久しぶりの、メンバー。
会ったらきっと、たくさん問い詰められるだろう。苦しくなることだって、ある。でも、それでも、自分で決めたこの舞台。思いっきり楽しんでやろうじゃないか。

・

ふと、顔を上げる。
誰かが、前を向いた気がして。

私は、このまま下を向いたままでいいの？
目を背けたままで、逃げてばっかで、それで、いいの？

よくない。

そんなことは、前からわかっていた。
あんな裏切り、罵声。
そんなものが沢山あるなんて、最初から知っていたじゃないか。
いつまでも殻に閉じこもってないで、下を向いてないで。
そろそろ私も、前を向こう。

世の中が変わるように。

私も変わるんだ。