恋の矢印 (ページ7)

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トントントン

一定のリズムで階段をおりていく。

「えーと、キッチンは…」

あのドアかな？

明かりがついてるのが見え、ソッとあける。

「片寄くん。」

「わっ、！」

めっちゃ驚いてる(笑)

クールな片寄くんだから、こんな驚いたとこみるのはじめて(笑)！

「佐々木さんか、ビックリした…」

「ごめんね！」

胸に手を置いて、平常心を保とうとする片寄くんが面白くて

クスクス笑ってしまう。

.

「で、どうしたの？」

と、言われても

キッチンに用はないし、何て言おう…

あの部屋にいずらかった、なんて言えないし

「…」

困って黙った私に、なにか察したのか

「何か話する？」

と、キッチンにもたれて片寄くんは私に話しかけた。

「…うん！」

椅子を片寄くんの前まで持って行き、座る。

「んー、そうだな。なに話そうか？」

「じゃあ…、片寄くんの好きな食べ物は！」

「肉。佐々木さんは？」

「いちごみるく！」

「それ食べ物じゃないよ。」

片寄くんと話してると、気を使わないし楽しい。

「晴美って小さい頃どんな子だったの？」

ふと話が変わってそうきいてみた

「今と全然変わらないよ。常に明るくて元気。でも、寂しがりや。」

「そーなんだ…」

「玲於は？どんなだった？」

「玲於は、小さい頃から冷めてた(笑)！けど、どんだけ私がそばでつきまとっても嫌がらなかったなぁ」

フフッと、笑みがこぼれる

懐かしい思い出。

「そっか。」

そう返事をした片寄くん。

なぜか、どこか寂しそうで。

でも、

「そろそろあがろっか。」

一瞬のうちに、また笑顔になっていて。

なんだか

「…うん」

気になる