私は……【青葉城西】 (ページ44)

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A side

『2年に上がって、スタメンになって。よりあたりが強くなりました。暴言、暴力は当たり前にぶつけられるようになりました。なまじっか顔がよかったせいで、先輩の好きな人に好きになられたりして、余計めんどくさくなって。顔のことで色々言われることが増えたので、見せなければいいって思ってマスクつけるようにして。部活中もなるべくそのままで。部室とかあってロッカーもあったんですけど、中必ず荒らされるので、何も置かないようにして。ものがなくなるとか日常茶飯事で、ほんと困りましたね。大体汚くなって返ってくるんですけど。お気に入りのものとかあったので、すごくムカついたし、悲しかったです。
夏の大会が終わると、なんか全日本の監督から声かけてもらって。メンバーに入れることは出来ないけど、練習来ないかって。正直部活に居たくなかったから、二つ返事で行くようになって。
でも、おかげで嫉妬に火がついちゃって。大噴火。部活内だったものが、全校に広がって』

もう少しで、終わるから。もう少しだから、こんな話、もう終わるので。
心の中で断る。聞こえないから意味ないの知ってるけど。

『普段の自分を知ってくれていたクラスメイトとか、友達とかはそれでもまだ自分を信じてくれて、一緒にいてくれて。でも全員が全員そうって言うわけじゃなくて、むしろそうじゃない人たちのが多くて。朝学校いけば、上履きない、靴箱はぐちょぐちょに濡れてる、なんてことがあって。学校にものなんて置けなくなって。
また、自分の周りの子達もだんだん離れてって。離れてく理由は、やっぱり「影で悪口言ってたんでしょ。信じてたのに」で。違うって、そんなこと言わないって言っても、必死に伝えても、誰も信じてくれなくて。
自分の声なんて、届かなくて。
驚いたことに、このとき1番初めに離れたの、由紀なんですよ。部内だけだったら、多分離れていかなかった。由紀の1番の友達がいじめに加わってたから、その子と離れたくなくて、自分から離れたんだと思う。
放課後呼び出されてリンチっぽいの、とか、日常茶飯事だし。それで遅れてったら調子乗るなってボール投げつけられるし。全部受け取ってたけど。
学校は行きたくなかったけど、それ以上に親に迷惑かけたくなかったから、無理して行って。あと1年の我慢だからって』