私は……【青葉城西】 (ページ30)

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？「なんや、そないな顔して」

見つけてしまった現実に絶望していると、声が掛かる。
この声は……

『……侑』

侑「よっ、久しぶりやな。元気しとったか？」

『……まぁ、元気、だけど』

侑「そか。それよりA、同じガッコで女バスやるみたいやな」

こちらの事情を知った上で、そんなことを言ってくる。

『……そうやね』

侑「誘いの連絡、ぎょーさん来てるんとちゃう？」

『……そう、やね』

ほかの話題なら、だからなんだ。と言えるのだが、"チーム"に未練はなくても、バスケ自体には未練タラタラなので、返事が鈍くなる。

侑「……A、ほんとになんでバスケやめたん？そんなに大好きやのに」

少し長い沈黙の後にそんなことを言われる。

侑「俺、知ってんで？今年のIH、出たんやろ？活躍したって聞いた。1番うまかったって。1番、楽しそうやったって」

私がMVPを貰った、夏の大会。確かに、楽しかった。久しぶりの"仲間"との交流が、楽しかった。

でも。

『楽しかったのは、事実。でも、自分がやりたいバスケはできんかった。どこいってもそうや。本気出さんくても、勝ててまう。そんなんつまらん。そんなんやったら、やらん方がええ。そう思ったから、辞めたんよ。それに、もう、チームは嫌や』

どうせ侑には嘘なんて通じないから。嘘だってすぐバレてしまうから。本音を、隠さず言う。

？「え、A？」

近くに、ドリンク作りに来た女バスのマネさんがいるとは知らずに。