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名残を惜しむかのように暖かい光を放ちながら太陽が沈んでいくのを横目に見ながら歩き、ようやくホテルの部屋に着くと、机を囲むように5人で座った。
今から用意してもらったご飯を食べながら明日の計画立てだ。
｢やっぱり明日もう1回リンさんって人のとこ行ってみよっか。｣
と言って俺がエビフライを口に放り込むと、そうだね、とジュンが頷いてコロッケを器用に2つに割って口に運んだ。
｢…………でもそのリンさんって人はタクトくんの幽霊を守りたいんじゃないですか？……でも俺達はその幽霊を消したい。利害関係一致しませんよ。｣
と、カズが箸でハンバーグを掴みながらくるっと俺たちの方を見ると、
｢……うーん、嘘はあんまりつきたくないからなぁ……｣
と唐揚げを口に入れたマサキがモゴモゴと言った。そして、
｢大丈夫、嘘つくのはショウくんだから。｣
と言ってサトシくんがｽﾞｽﾞｽﾞｯとスープを飲んだ。
何気に酷いサトシくんの俺の扱いに何だか泣きそうになりながらも、カズから寄越された貝をペロリと食べる。上手い。
｢というか、俺達が来てから幽霊出ませんねぇ……｣
カズがサトシくんのハンバーグをヒョイと掴みながらぽつりと呟く。
｢確かに1回幽霊に会いたい……いや、会いたくないけど……会った方が色々手っ取り早いんだよなぁ……｣
｢そうだねぇ…｣
まぁ、そんなことを言っていたら本当に出会ってしまいました。
｢……まさか、君がタクトくん？｣
リンさんに会った次の日、結局宛もなくぶらぶらと5人で散策していると、いきなり目の前にぼんやりと小さな男の子が現れた。
体は薄らと透けており、ふよふよと実態のない雰囲気にタクトくんだと確信して5人で顔を見合せて話しかけてみたが、それでもタクトくんは顔を動かさずにじっとしているだけだった。
手をごそごそぶらぶらと動かしているのが子供らしかったが、何も言わずにそこに立っているだけなのがまた緊張感を高め思わず身を構えてしまう。
｢タクトくん？君は一体何をしているの？｣
と優しそうな笑みを浮かべて問いかけるカズに、キョトンとした顔をしたタクトくんは、それから直ぐにマサキの方に視線をやった。
何だ？とマサキの方に視線が集まり、マサキもタクトくんに話そうかと一歩踏み出した瞬間、
｢うわぁっ！！｣
と大きな声を上げてマサキが派手に転んだ。
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作者名：Kar | 作成日時：2022年9月2日 23時
