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女の人は、俺達を見るとビックリしたような顔をして、
｢あれ？ 村の方じゃないですよね？｣
と首を傾げて言った。普段村の人しか訪れないのだろう。
｢あ、実は俺達幽霊の調査をしているんですが…………｣
｢…………幽霊？｣
用件を伝えると、ふんわりとした優しい笑顔が段々と引きつっていく。
｢……もしかして警察の方ですか。｣
と怒りの表情を交えて言った彼女にどう返していいか分からず、｢……はい。｣と呟くと、
｢帰ってください。｣
と言う声と共にバタンと勢いよくドアが閉められた。
あまりに呆気なく閉められてしまったドアを見て5人で顔を見合わせる。
と同時に、自分が警察だとうっかり肯定してしまったのが良くなかったのだと気づき、
｢……ごめん、もっと考えてから話すべきだったわ。｣
と謝ると、しょうがないですよ、とカズが背中を叩いてきた。
｢一応警察であることに変わりは無いからね。｣
と、マサキも笑ってフォローを入れてくれる。
｢……それにしても、警察ってワードに反応してたね。｣
少ししてジュンが閉じられたドアを見ながら言った。
｢うん、幽霊のこと聞かれたくないみたいだった。｣
｢大体20歳位じゃないですか？ 15年前には子供だった訳ですから年齢もほぼ一致しますね。｣
｢……じゃあ、あのリンさんって人が……
タクトくんのお友達？｣
マサキが確かめるように言うと、それぞれが頷く。
｢その可能性は高いですね、だって村の人達は凄い俺達に協力的でしたもん。あんな態度取るってことは何かあるっていうことでしょ。｣
カズは確信めいたように言って、
｢今日のところはとりあえず帰りますか、もう話は聞けないでしょうし。｣
と肩を竦めた。日も暮れ始めたから早く帰りたいんだろう。
そうだね、と話もそこそこにホテルまで歩く。
話はあまり聞けなかったが、収穫は大きい。
もしかしたら彼女が、この事件を解決に導くキーパーソンかもしれない。
────────────
その頃、
｢…………タクくん、どうしよう……｣
5人が帰るのをカーテンの隙間から確認しながら、女の人がぽつりと呟いてため息をついた。
沈みかけていく太陽が、儚く外を見る彼女の顔をぼんやりと薄赤く照らし出していた。
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作者名：Kar | 作成日時：2022年9月2日 23時
