No.10 ページ10
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『この家に………ずっと、いたらどう…？』
グレイシアさんの言葉に私は耳を疑った。
A「………え？」
ｸﾞﾚｲｼｱ「もちろん、Aちゃんが良ければだけど……ううん、Aちゃんが良くなくても、一人でなんか行かせられないわ…。」
A「いや、でも……」
ｸﾞﾚｲｼｱ「だって私からしたら、Aちゃんもエリシアと変わらない小さな子供ですもの…。そんな子をほうっておくなんてできない。」
そう言って私の目をまっすぐに見つめるグレイシアさんは、本当に、嘘偽りなく、私を本気で思ってくれている目だった。
いや、疑わずとも今日一日のグレイシアさんの私に対する言動を見れば分かる。
彼女は本当に良い人だ。
でも………でも、彼女が言うようにいくら子供だからと言って、赤の他人、ましてや、今日初めて会った素性もわからない人間にそこまでできるだろうか。
A「…なんで…………そこまで…？」
私がそう言うと、彼女はおもむろに近くの棚の上に置いてあった写真立てを手に取って言った。
ｸﾞﾚｲｼｱ「私の夫なら、そうすると思ったからよ。」
夫……？
スースーと寝息が聞こえてきたと思ったら、いつの間にかエリシアちゃんはソファで寝入っていた。
私はグレイシアさんに近づき、写真を見せてもらった。
写真には、グレイシアさんとエリシアちゃん、そして眼鏡をかけた優しそうな男の人が笑顔で写っていた。
A「旦那さんですか…？」
ｸﾞﾚｲｼｱ「ええ…もういないのだけどね…」
彼女の態度から予想はしていたが、実際に彼女の口から出た言葉は、非常に重く、胸が苦しくなる。
ｸﾞﾚｲｼｱ「彼ね、すごくすごくおせっかいな人でね、困っている人がいたら見て見ぬふりできなくて、すぐ家に連れてくるのよ。もう何人の人がこの家に訪れたかわからないぐらい。」
彼女の話を私は写真を見つめながら黙って聞いていた。
ｸﾞﾚｲｼｱ「それでね、彼が助けた人はみんな笑顔になって帰っていくの。しかも、彼が亡くなった後も、たくさんの人がこの家に訪れて、彼との思い出をたくさん話してくれるのよ。その話を聞くたびに、あぁ…彼はいつも優しい世界をつくってくれていたんだなぁ…って感じるの。」
グレイシアさんは愛おしそうに写真を見つめていた視線を私へと移した。
ｸﾞﾚｲｼｱ「だからね、私も彼が一生懸命つくっていた優しい世界をつくりたいの。」
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るるるs - 鋼の錬金術師AFじゃなくてFAですよ。 (2022年7月27日 0時) (
レス) id: 7f6b75982b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - ポケットの案内人さん» ポケットの案内人さん コメントありがとうございます！そう言っていただけて私もすごく嬉しいです(><)更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2020年8月16日 8時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
ポケットの案内人(プロフ) - 私、ハガレン大好きなんですよ！夢小説書けないのに夢主勝手に想像したり、そしたらこの小説があったのでメッチャ嬉しいです！頑張ってください！ (2020年8月15日 23時) (レス) id: 4ccf657d3b (このIDを非表示/違反報告)
篠懸 菖蒲(プロフ) - みーこさん» みーこさん ありがとうございます！そのように言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります(><) (2020年6月23日 10時) (レス) id: 21fdeed85c (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 面白かったです！更新頑張ってくださいね！ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 19c92306d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菖蒲-アヤメ- | 作成日時：2020年6月12日 23時
