４６【JK】 ページ46
JK side
授与当日。
うっとおしいコイツと
今日で離れられると思うと清々しい。
「うわ〜！
ほんっとに可愛くておキレイです〜！」
YN「やだ〜！
恥ずかしいからやめてくださいよぅ〜！」
…と、思っていると
早々に隣からうっとおしい会話が
聞こえて来る。
…ヌナの方がキレイだけど？
そんなことを考えて
鏡越しにうしろのヌナを見ると
俺達の方を見ているが
目の焦点が合わずにボーッとしている。
YN「…あっ！ どうしよう…。」
突然隣から焦った声が聞こえる。
“ネックレスを落としてしまった”らしい。
泣きそうな声で周りに訴えているが
興味がない俺は無反応を貫く。
『どこか、心当たりある？
探してくるよ？』
ふと愛しい声が聞こえて鏡越しに見ると
ヌナが心配そうに隣のヤツに近寄っている。
『わかった。一通り見てくるね。』
話を聞くとすぐにドアの方へ向かい
片手をヒラヒラと振って出て行ってしまう。
…ほんとに、あの人は…。
少し誇らしい気持ちになって
緩みそうになる顔をなんとかこらえる。
それからしばらくして
ヌナが戻ってこないまま
先に準備ができた俺だけ
撮影するスタジオへ案内されてしまった。
…大丈夫かな…。
撮影のことなんてどうでも良くなって
頭の中はヌナのことだけ。
するとスタジオに駆け込んできたスタッフが
「…ユナさんがっ！
医務室に運ばれましてっ！
撮影は一旦中止ですっ…！」
息も絶え絶えにそう伝えるスタッフ。
現場は騒然となり、何人かが
中止を告げたスタッフに詰め寄っている。
俺も近寄ってみると
「その…お付き？の女性と…
トラブったらしく？って…。」
その言葉を聞いて
一瞬で血の気が引いた俺は
気付けば走り出していた。
…ヌナ！
…Aっ！
・
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作者名：のあ | 作成日時：2021年9月12日 16時
