7話 ページ8
ﾊｸ・A「.....」
A「(気まずい...)」
ﾊｸ「なぁ、なんでお前がここに居てアイツの従者なんだ？」
A「ごめん、言えない」
ﾊｸ「そんなに俺が、頼りねぇかよ」
A「違う！そうじゃない、そうじゃ、ないの...
ごめんなさい」
私は小さい頃から言われてきたことがあった
ｲﾙ「この国の皇女はお前ではない、もし私の子供だということを他の人間に話したら...わかるな？A」
A「っ...はい、陛下」
ｲﾙ「お前も、自分のせいで誰かが傷つくのは嫌だろう...だれにも打ち明けてはならんぞ」
A「はい...」
ﾊｸ「どうしたA、何に怯えてんだ？」
A「っ！な、何でもないから！私、部屋に戻るね！」ﾆｺｯ
そう言い残して自分の部屋に急いで向かった
A「バレちゃダメ、バレちゃダメ、バレちゃダメ...」
ｲﾙ「A」
A「っ！へ、陛下...」
私は片膝を着いて頭を下げて、自分の震える手を見つめた
ｲﾙ「いくらハクでもこの秘密を知ることは許されない
わかっているね？」
A「はい、重々承知しております」
ｲﾙ「悟られる事もあってはならない、良いな」
A「はいっ...」
陛下はどこかへ歩いていった
A「(言える訳、ないっ...)」
その日は部屋に引きこもった
時々、ムンドク様やハクが来てくれたけど返事をしなかった
昼間の事を思い出すと、誰とも話す気にはなれなかった
私はふと、小さい頃のことを思い出していた
姫様の生まれるずっと前のことを
私は、基本部屋から出して貰えなかった
扉の前には必ず2人の見張りが立っていたから抜け出すことも出来なかった
ある日、窓から外を見ていた私は下を歩いている男と目が合った
その人は私に笑いかけてくれた
A「っ！...////」
その時、私は生まれて初めて人を好きになった
それからというもの、毎日その男に手を振った
するとその男も必ず笑って振り返してくれた
そんなある日、窓を開けると目の前にたっていた大きな木の枝にその男がいたのだ
A「っ！貴方そこで何をしているの？
見つかったら怒られるわよ」
「平気さ、見つからなきゃいいんだから」
A「もう...ﾌﾌｯ」
毎日、男は木に登ってきてはいろんな話をした
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作者名：カッパ | 作成日時：2021年8月5日 1時
