34話 ページ35
「ー...」
A「？(鳴き声...)」
行き止まりの壁を触ると一部がへこんで
通路がでてきた
A「こんなところに隠し通路が...ん？」
「ぷっきゅー」
扉の向こうにいたリスが奥へと走っていった
A「あ、待って」
「キュキュキュぷっきゅー」
A「っ！可愛い、こんなところにリスが...っ！」
通路にあったロウソクが次々と消えていく
A「(ロウソクが、それに誰もいない...
私だけはぐれたんだ)」
「迷われたのですか？お仲間とはぐれたのですか」
A「え、えぇ...あなたはここの人ですよね？」
「はい、手を...連れて行って差し上げます」
A「...ありがとう(怪しいけど仕方ないか)」
「ここは迷路だと、お聞きには？」
A「ごめんなさい、どうしても探したい人がいて」
「青龍、ですか...そのような者はいません」
A「あの通路の奥は誰かの部屋なんですか？」
「誰もいません、誰も...」
A「あの、そっちは仲間たちがいる方向じゃない...何故、地下に向かうの？...っ！」
振り返った男の目を見て、危機を感じて
逃げようと手を解いたが、またすぐに掴まれた
男と女の力の差じゃ抵抗も虚しかった
A「は、離して、いやっ誰か...(怖いっ...)」
チリンッ
鈴の音がしたと思えばいつの間にか大柄の男の人が立っていた
A「っ！」
「ﾋｨｯ」
気づいたら大きな男の人が立っていた
私を助けてくれたのだ
A「あの、助けてくれてありがとう
あなた、青龍、だよね？」
青「...ｺｸﾝｯあなたは、姫...」
A「姫なんてそんな...青龍、会いたかった」
青「俺も...ずっと、気配感じてた」
A「そっか...」
青「っ！眼、俺と、同じ...」
A「そう、あなたと同じ眼をもってるの」
青「っ！」
A「力も同じ...辛いわよね、よく一人で頑張ったわね青龍」
青「っ...」
A「青龍、おいで」
青龍「...っ」ｷﾞｭｯ
A「よしよし」
それからしばらく、青龍と話しながら歩いていた
A「明かり、それにキジャの気配も...」
青「...ｷﾞｭｯ」
A「？どうしたの、青龍」
青「また、会える？」
A「っ！...えぇ、必ず」
青「ありがとう」
私にお礼を言って、もと来た道を走っていった
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作者名：カッパ | 作成日時：2021年8月5日 1時
