【小野大輔】人気声優で誰からも愛される彼女は病弱でした。

第4話 ページ6

収録が進むにつれ、なんだか体が重くなった。


ダルくて熱っぽい感じで、風邪ひいてるわけじゃないのにどうしたのかな…


でも収録途中で倒れるわけにもいかないのでとりあえず乗り切った。
後半の方は私のセリフが多く無かったのが幸いだった…



とりあえず早く帰ろう。それが一番だよね。


ありがとうございました、と1通り挨拶をし終えた。
よし、帰れる。帰れるぞ。家に帰るまでが戦いだぞ絶対家に帰るまでは気を抜くなA…




「Aちゃん今日はありがとうね…って顔色ほんとに悪いよ？大丈夫？？」


気が抜けた。
気を抜くなと自分に言い聞かせた数秒後にはもうそんなの飛んでった。
タイミングが良いんだか悪いんだか…
いつもの私なら、小野さんが私に話しかけてきた！奇跡か？！いや夢か？！って脳内大パニックになること間違いないんだけどさ




『あ…小野さんありがとうございました。大丈夫、です……』

「ちょ、ちょっと…少し休んだ方がいいって！」



眩暈でふらっとした私を支えてくれた。
ほんとどこまでイケメンなんだこの人…







ただ今の私にはときめく余裕すらなく、
というか立ち話をしている余裕すらなく、そのまま意識を手放してしまった。

第5話→←第3話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す