55話 【あの時の気持ち】 ページ13
竹谷八左ヱ門side
竹「天女様は俺に
【生物委員会の虫が気持ち悪い今すぐ処分して】と言い放った
あの時の俺は本当にどうかしていた
普段なら、真っ先に虫の良いところや
可愛いところに虫独自の特徴を話すと思うのに
なんの疑問も持たずに承諾してしまった」
過去に戻れるのなら
今すぐ過去の自分にグーパンチをしてやりたい
竹「天女に言われ俺は直ぐに飼育小屋に向かった
そこで虫達を…ころ…す、ために小屋から出した」
目を閉じるといつも見える
虫達の不安げな顔
恐怖に色付いた目がいつも見える
孫兵が口に手を当てて少し考えると聞いてきた
孫「それって、何時頃か分かります？」
確か、夕方になる少し前のはずだから
竹「申の時だったか…どうした」
孫「唯…その前の時間は虫達を散歩させていたなっと思いまして」
竹「そうか…」
ダメだ！こんなに暗くなっては！
しっかりと自分の思いと気持ちを伝えねば
竹「小屋から虫達を出している時
毒ヘビのジュンコと目があったんだよ」
孫「ジュンコと！」
竹「嗚呼、ジュンコを見た時
頭の中で声がしたんだ
【ジュンコは違う、せめて孫兵のペットだけでも逃がせ
委員会の飼っている虫ではない
天女にはペットまで殺せとは言われていない】
その言葉がずっと頭の中で渦を巻いているように聞こえていたんだ
だから…孫兵のペットだけを置いて残りの虫達を…」
今考えると、自分の薄れて細く切れかかってた理性だ
それが声になって自分を止めていたんだ
でも…無理だったな
竹「そこからか…俺が可笑しくなったのは
いや、虫を殺る前からおかしいか…
目の前で動物が怪我をしても無視をして
虫がひっくり返ってても、まるで目に入らなかった
あの時の自分は今思うと恐怖だ
なんで天女の言葉一つであそこまで出来たんだ…」
そういえば、天女の周りが桃色になってて
天女を見ると周りが見えなくなっていた様な
でもそれとこれとは違う
俺が虫達を殺したのは事実だし
その事実は変えられない
竹「そこからは知っての通り
天女が天に帰った時、俺は目が覚めた
自分のした事の重大さ
生物委員会の皆を裏切った罪の重さが怖かったんだ
皆は俺が虫を殺した事を知ったら
どう思うのか…幻滅されるに決まってる
それが怖かった」
たがら逃げた
誰にも見られない
誰も見れない所へと逃げたんだ
竹「これがあの時の気持ちだ」
孫「分かりました…」
…落ち込むよな
自分の先輩がこんなに弱かっただなんて
56話 【今の気持ち】→←54話 「あの時の気持ちと今の気持ち」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
南無阿弥陀仏(プロフ) - 諸事情により今日から2週間、夢小説をて更出来ません。待っている皆様には申し訳ありませんが少しの間だけ待っていて下さいBy作者より (2021年5月6日 18時) (
レス) id: 1cf60bec73 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！次は保健委員会の不運…！？更新楽しみにしてます。頑張って下さい！！！ (2020年10月20日 22時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：南無阿弥陀仏 | 作成日時：2020年10月19日 19時
