検索窓
今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:43,799 hit

バーテンダーに恋をして。 ページ7


疲れたり

何となくやるせない夜、

決まってやってくるバーがある。



○○))こんにちはー

あ、こんばんはか。と心でボヤきながら扉を開ければ、

変わらぬ匂いが漂っていた。



ひょこ、と顔を出すと、

○○))マスター??

マスターがいなかった。



珍しい日もあるんだなと思いながら中に入って席につく。



マスターって言っても、私と歳もそんな離れてなくて、

ダンディーというより、爽やかなイケメン。


そんな彼に惹かれてこのバーに通う内に、

いつしかいい飲み仲間になって、嫌なことがあった日は、必ず来るようになった。



そんなマスターが珍しくいない。



?))いらっしゃい



代わりにいたのは、別のイケメン。

○○))あ、どうも…
?))常連さんだよね
○○))あ、はい…

私の顔を見て、特に笑うことも無く。

?))○○ちゃん
○○))え、私の名前…
?))俺いつも居るから。



知ってるよ。と微笑んだ。

?))登坂広臣。
○○))…あ、
臣))気づいた?



そういえば、



いつもマスターがこの人の名前出してたかも。



なんて、ふと思い出した。



臣))あの人俺大好きだから
○○))はぁ…?
臣))嘘

今度はフッと笑ってグラスを手にした。



臣))今の内緒ね

バレたらうるさいから。と笑ってる。



○○))あの、
臣))これ、サービスね

カラン、と氷の音がした。
ピンク色の、私の好きなお酒。

臣))敬浩さん、もうすぐ帰ってくるから。
○○))あ、
臣))今度、良かったら俺と話してね



○○))名前…

じゃあね。と手を振りながら去っていった彼。

私の話の殆ども聞かずに、嵐のように過ぎ去った。


残ったのは、彼が作ってくれたお酒だけ。



○○))臣…さん



マスターに比べたら口数は少ないけれど、

マスターとは違う、カッコ良さが見えた気がした。



キュン、と私の単純な胸が弾む。





【バーテンダーに恋をして。】


彼が作ってくれたお酒は、



マスターが作ってくれるお酒より少し濃くて、



私好みの味だった。



END

シリーズ:寒い朝には。→←シリーズ:寒い朝には。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
88人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなリン - 巌ちゃん (2018年4月7日 4時) (レス) id: 716ebf9dca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あゃひろ | 作成日時:2018年3月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。