バーテンダーに恋をして。 ページ7
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疲れたり
何となくやるせない夜、
決まってやってくるバーがある。
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○○))こんにちはー
あ、こんばんはか。と心でボヤきながら扉を開ければ、
変わらぬ匂いが漂っていた。
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ひょこ、と顔を出すと、
○○))マスター??
マスターがいなかった。
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珍しい日もあるんだなと思いながら中に入って席につく。
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マスターって言っても、私と歳もそんな離れてなくて、
ダンディーというより、爽やかなイケメン。
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そんな彼に惹かれてこのバーに通う内に、
いつしかいい飲み仲間になって、嫌なことがあった日は、必ず来るようになった。
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そんなマスターが珍しくいない。
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?))いらっしゃい
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代わりにいたのは、別のイケメン。
○○))あ、どうも…
?))常連さんだよね
○○))あ、はい…
私の顔を見て、特に笑うことも無く。
?))○○ちゃん
○○))え、私の名前…
?))俺いつも居るから。
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知ってるよ。と微笑んだ。
?))登坂広臣。
○○))…あ、
臣))気づいた?
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そういえば、
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いつもマスターがこの人の名前出してたかも。
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なんて、ふと思い出した。
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臣))あの人俺大好きだから
○○))はぁ…?
臣))嘘
今度はフッと笑ってグラスを手にした。
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臣))今の内緒ね
バレたらうるさいから。と笑ってる。
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○○))あの、
臣))これ、サービスね
カラン、と氷の音がした。
ピンク色の、私の好きなお酒。
臣))敬浩さん、もうすぐ帰ってくるから。
○○))あ、
臣))今度、良かったら俺と話してね
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○○))名前…
じゃあね。と手を振りながら去っていった彼。
私の話の殆ども聞かずに、嵐のように過ぎ去った。
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残ったのは、彼が作ってくれたお酒だけ。
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○○))臣…さん
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マスターに比べたら口数は少ないけれど、
マスターとは違う、カッコ良さが見えた気がした。
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キュン、と私の単純な胸が弾む。
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【バーテンダーに恋をして。】
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彼が作ってくれたお酒は、
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マスターが作ってくれるお酒より少し濃くて、
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私好みの味だった。
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END
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かなリン - 巌ちゃん (2018年4月7日 4時) (レス) id: 716ebf9dca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゃひろ | 作成日時:2018年3月22日 21時