LDHstory By.ayahiro

いつでも上手 ページ28

･

朝。

･

化粧をしようと思って、鏡を見つめてげんなりした。


･


○○))…まただ

･

首元には、くっきりキスマーク。

･

付けた本人はと言えば、後ろでくーくー寝てる。

･

○○))付けるなってあんだけ言ってんのに

･

朝大変なんだからって、あんだけ言ったのに。


･


臣))それ見る度に愛しさ増すでしょ


･


…って。

･

前にそう言ってニヤついてたっけ。

･

･


自意識過剰かっ！


･


別に愛しさなんか増さんわ！

･

○○))バカ、アホ

･

とりあえずファンデーションを塗りたくって、何とか隠れないかと試みる。

･

臣))…何してんの
○○))隠してる…って、

･

え、と振り返れば、いつの間にかベッドの上に座ってる臣の姿。


･


○○))…おはよ
臣))何してんのって聞いたんだけど

･

少しだけ不機嫌そうな臣。

･

…というか、基本朝は不機嫌なんですけど。この人。


･


○○))キスマーク隠してたの

･

仕事なのに見せれないでしょ、と一括。

･

○○))付けてくれるのは嬉しいけど、見えない所がいいな
臣))…ふーん

･

それは悪かった、と珍しく自分が悪いと認めた様子。


･


朝は意外に素直？


･


○○))あ、やば

･

ふと時計を見れば、もう家を出なきゃいけない時間。

･

適当に化粧品を片付けて、カバンを掴んで。

･

パタパタと玄関まで駆けていけば、


･


臣))○○っ
○○))はいー？

･

ヒールを履きながら、突然聞こえた臣の声に返事をした。

･

臣))忘れ物〜
○○))え？ありが…

･

忘れ物何かあったっけ、と思いながら振り返ると、

･

突然グイッと引き寄せられた。



･



ーチュッ

･


○○))へ、
臣))キスマーク。違う所にしたから
○○))はぁ！？

･

近くにあった鏡を見れば、また違う場所の
くっきり残ってるキスマーク。

･

臣))ほら、遅刻するよ？

･

急いでるんでしょ？と勝ち誇った顔の臣。

･


…素直とか思った私が馬鹿だった。

･

【いつでも上手】


･

○○))帰ったら覚えときなさいよ！
臣))へーへーいってら〜

･

ヒラヒラと手を振る臣を尻目に、家を出た。

･

あー、コンビニでファンデ買お。


END

シリーズ:寒い朝には。→←普段は言えないから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す