苦手だけど憎めない水上くん

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1週間が経ち、







ようやくわたしも元気になった。







水上「予防注射打たないからこんなことになったんだぞ」




水上くんとの久しぶりの登校。





天気も良く、気持ちいい朝だ。





「水上くんは打ったの？」




水上「いや」





「風邪引け」



水上「俺は風邪ひかないってば」






「馬鹿だから？」





水上「それもう一回言ったらもう看病してあげないからな。」






水上くんとわたしは顔を見合わせて笑った。







「ありがとう、毎日来てくれて。」






水上「いーえ」





水上くんは、インフルになったわたしを毎日看病しに来てくれた。





冷えピタも貼ってくれたし、おかゆも作ってくれたし





ポカリも買ってきてくれて






微熱にようやくなった時にお風呂に入りたいって言ったら






冷えるといけないからって、ちゃんと髪の毛を乾かしてくれた。








…優しい。





こういう彼氏がいたら幸せな日々を送れるだろうな。








「はい、お礼。」




水上「ん？」





「水上くん、みかんが好きだから。




みかんジュースあげる。」





水上「あぁ笑





ありがとう。





別に当たり前のことをしただけなんだけどね〜」








そう言いながら、みかんジュースを飲む水上くん。





喉仏が気持ちよさそうに動いている。









「水上くんの今日の予定は？」




水上「んー、特にないかな。」




「そっか」




水上「Aは？」





「わたしもないよ。」








水上「お、じゃあさ」







「水上くんですか？」


水上「え、あ、はい」







水上くんの前には制服を着た女の子が数名。




多分高校生かな。




「修学旅行で来たんです、まさか会えるとは思ってなかったので嬉しいです！！！」



「握手していただけますか？」



水上「あぁ、ぜひ。」




水上くんは何人かと握手した。






「受験頑張ります、ありがとうございました！！！」




水上「うん、頑張ってねー」




高校生たちが去っていくのを水上くんは手を振りながら見送った。









水上くんが高校生と握手した。




いいな。





わたしなんて、手を繋いだことも握手したこともないよ。







水上「あれ、で、なんの話だったっけ。」





「水上くんは人気者だね。」




水上「嫉妬すんなって笑笑」





「え？嫉妬じゃないよ」




水上「じゃあ、ありがとう。」








このモヤモヤ。なんなんだろ。

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