二重人格な彼らは

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夢はいつか見たあの夢、


1人の女の人と7人の男の人が話してる


それぞれ前に言ったであろう聞き覚えのある台詞を言い終わったところで



私は目が覚めた。



なんて意味有りげな夢なんだ


辺りを見回すと見慣れない場所。


ああ、ハマダさんの家だ。



すると、キッチンであろう場所から匂ってくる甘い香り



「いいにおい……」


私の声に反応したハマダさんがこっちにドタバタと駆け寄ってくる


「あ、起きた！もー、びっくりしたでー？呼びかけても返事ないし、また連れ去られたんちゃうかって。部屋に入っても動かんから死んでるんかとも思ったしなぁ」

「ふふ、ごめんなさい」



あまりの早口さに少し笑ってしまうと、笑い事ちゃうねんで？と痛くないデコピンをされた

この人は人と距離を縮めるのが上手い。
いつの間にか敬語も外れてる



「あ、ココア作ったんよ。飲む？半袖やし、寒かったやろ？」

「じゃあ、いただきます」

「よっしゃ、持ってくるな？」



ハマダさんが作ってくれたココアは甘くて、なぜかちょっとだけ懐かしい味がした。



「中間さんさぁ、これからどうするん？」

「……どうしましょ」

「なんか持ち物は？」

「全部取られちゃって。スマホもサイフも身分証明書も無いです」

「でも警察に行くのもあれなんやろ？」

「はい……」



やっぱり思いつきで人に迷惑はかけるもんじゃ無いのかもな……

ハマダさんめっちゃ困ってるし……



「もう、そんな顔せんの」



頭を、撫でられた。
すごい久しぶりの感覚な気がして、すこし泣きそうになった



「俺がなんとかしたるから」



ハマダさんは真剣な眼差しだった。



「あ、俺の友達がカフェ経営してんねん。そこから、身分証明書とかなくても働けると思う。給料は手渡しにしてもらえればいいし。」

「そんな……いいんでしょうか？」

「ええねん。優しい人やからな。で、落ち着くまでここに住めはええよ。物置部屋を片付ければ布団くらいは敷けると思うし、中間さんも部屋欲しいやろ？」

「え、ここに住む？え、ほんまに？」

「え、あかん？」

「あかんくは……ないですけど」

「じゃあ決定な」



この人見かけによらず強引だぞ



「一緒に住むんなら、自己紹介でもする？」



普通に名前とか色々言い合うんかと思ったらやっぱりちょっとだけ変わってる人みたいで、チラシの裏の白いところにマジックでお互いに自分のこと書きあおうだと。


この人、やっぱり頭おかしい。



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