〇 ページ23
敵側
「なあ、そろそろ攻撃を仕掛けないか?」
「バカ。相手はガキだが雄英は入れた奴だぞ?」
「そうそう。しかもさっきの個性は強力そうだ」
「ちゃんと弱点を探さないとな」
敵は建物の影からそっと覗き込む。時々牽制するように出てくる黒影がいるのだ。見た目はモンスターだからそう簡単に攻撃を仕掛けたら危ない目に遭う。そしてその様子を確認しているのだろう。カナミのピンクのマントが時々見えた。しかしカナミ自身ではない。口田がカナミのマントをひらひら動かし、カナミがいると勘違いさせているからだ。彼女がいるのはここだ。
(屋上到着)
敵たちが隠れている建物の屋上だ。バレずに屋上に到着したカナミは手をひらひら動かす。常闇は頷いた。
(花の呼吸 壱ノ型 垂れ藤)
戦闘訓練の時は不発に終わった垂れ藤を屋上の端に放つ。当然、物音により敵たちは気づいた。
「瓦礫が落ちてくるぞ!!」
「逃げろ!!」
慌てて建物の影から出る敵たち。
「今だ!黒影!」
「アイヨ!」
「わあ!?しまった!!」
「動けねぇ!!」
「はなせ!!」
黒影に捕まってしまった敵たちは暴れる。当然、黒影は放してたまるかとしっかり掴む。その仕上げとして……
ゴン
『グハ!!!』
(き、気絶してる?)
「ああ。気絶している」
口田のおかげで全員、気絶した。
「とりあえず縛っておかないとね」
合流したカナミはウェストポーチから包帯を出した。
「包帯?」
「うん。本当は先生のような捕縛布がいいんだけど、応急処置用の包帯しかないから」
カナミは「サポート会社にお願いすればよかった」と言いながら敵の手首・足首を縛る。最後の敵を縛った時だ。
「……う…ん?ア!テメェ!!よくも俺たちをコケにしやがったな!!」
(わあ!起きちゃったよ!!)
敵の一人が起きたことに口田は慌てる。
「丁度いいや。オールマイトを殺すって言ってたけど、どうやって?私たち生徒に負けているんだから、あんた達なんてオールマイトのパンチで一発KOなんだけど?」
カナミは敵から情報を集めるようだ。
「ふん!教えるかよ!」
「そう……ならこれはどう?」
ギリギリギリギリ
「むが!へったいいふか!てへぇほほうはほんはのひはらはんへいはふほへえはほ!!!」
カナミは敵の両頬を思いっきり引っ張って情報を聞き出そうとしている。ちなみに敵が言っているのは
「絶対言うか!てめえのような女の力なんて痛くもねぇんだよ」だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 173人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななきちてゃん - 命さん» 核を守っている方がヴィランなのであっていますよ (2020年8月19日 21時) (
レス) id: 37024497ff (このIDを非表示/違反報告)
命 - はじめまして、読ませていただきました。最初の実技授業なのですが、ヒロインちゃんは核を守る方だったのでヒーローの勝ちではないでしょうか？お気付きでしたら失礼しました！！ (2020年3月29日 12時) (レス) id: 36990451b2 (このIDを非表示/違反報告)
名前なんて無い - すごいです！面白いですよ！ (2020年1月29日 21時) (レス) id: 578a6cecc2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AYAAYA | 作成日時：2020年1月22日 21時
