その二 ページ12
沙世がそう思っていた時だ。
「たすけ…」
どしゃ
男性が倒れた。沙世とどろろは急いで彼の元へ走る。
「そんな…ひどい」
しかし男性は手遅れだった。すると百鬼丸がどこかへ走っていった。
「おい!どこに行くんだよ!?」
「兄さん!?」
どろろと沙世は慌てて追いかける。少しして百鬼丸は立ち止まった。沙世とどろろは見てしまった。地面には数人の斬殺体が血の海に沈んでいた。
「なんだよコレ!こんな…ひでえ事を」
「誰がこんなことを」
すると百鬼丸と沙世は何かを感じ取った。
ガキィーン!
辻斬りが襲い掛かってきたのだ。百鬼丸は刀で受け止め、沙世はどろろを掴んで離れた。
「おい!いきなり何すんだよ!」
「これはアンタの仕業ね!?」
どろろと沙世の問いに辻斬りは「この刀が血を欲したのだ」と答える。とにかくこいつは病んでいる。こうして百鬼丸と辻斬りの斬り合いが開始された。
「沙世姉ちゃん 助けないのかよ!?」
「今は駄目!逆に兄さんの邪魔になる!」
どろろの問いに沙世は答える。沙世の言う通り、今出たら百鬼丸の邪魔になってしまうからだ。
しかし段々と近くの崖に追い詰められていく百鬼丸。でも百鬼丸は作り物の左足で妖刀を受け止める。そのせいで足ががけ下に落ちてしまったが一気に間合いを詰め、斬りかかる。辻斬りは避けたのだが崖から落ちてしまった。
「百鬼丸兄さーん」
「おーい！百鬼丸!」
沙世とどろろが到着する。腕を百鬼丸に渡した後。がけ下を見た。
「…こっから落ちたんなら、あいつもう…」
「うん…生きていても重傷だよ。百鬼丸兄さん、大丈夫?あれ?」
沙世は百鬼丸の様子に疑問を浮かべた。どろろも疑問を浮かべたが「そっか足か」と気づく。
「仕方ねーな。姉ちゃんおいら取って来る」
そう言ってどろろは足を取りに行った。
「百鬼丸兄さん?……もしかして痛いの?」
百鬼丸は切り傷が出来た頬を触れていた。
「兄さん、必要以上に触れないでね。腕つけるよ」
そう言って沙世は百鬼丸の腕をつけた。後はどろろを待つだけなのだがしばらくたってもどろろは帰ってこない。
「百鬼丸兄さん、どろろを迎えに行こうか。ほら、私の肩つかんで」
沙世は自分の肩を百鬼丸に貸す。こうして二人はがけ下へ向かった
＊
「どろろー!どこー?いるのー?」
百鬼丸に肩を貸しながらどろろを呼ぶ。でもどろろは出てこない。
「あ」
百鬼丸の足が見つかった。しかし刺さっていた妖刀が無い。どろろもいない。
「まずい」
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作者名：AYAAYA | 作成日時：2019年2月24日 21時
