守子唄の巻・上 ページ14
現在、百鬼丸一行はある問題に直面していた。それは…
「兄貴…!兄貴…!」
「百鬼丸兄さん!」
どさ
どろろと沙世が話しかけると百鬼丸は耳塞ぎながら倒れた。
「兄貴…あ 大丈夫か?」
「大丈夫じゃなさそう」
どろろと沙世は小さい声で百鬼丸を心配する。
「ここでもダメなのかよ……」
「物凄く聞こえるんだね」
先日、百鬼丸は耳を取り戻した。しかしどんなに小さい音でもよく聞こえてしまったので百鬼丸は自らの耳を塞ぐしかなかった。沙世とどろろも彼を心配し、とても静かな場所に連れて行ったのだが、それでもダメ。今いる真夜中の森でも煩いようなのだ。
「静かすぎて、怖いくらいだけどなぁ」
「どろろ。確か手ぬぐい持ってたよね?それで耳をふさいであげよ」
沙世の提案にどろろは「そうだな」と同意する。
「百鬼丸兄さん。手ぬぐい巻いて耳を塞ぐから少し手を離してくれる?音がマシになると思うから」
百鬼丸を支えながら起こした沙世は小さい声で説明する。沙世の説明を聞いた百鬼丸はゆっくりと手を離してくれた。どろろは手ぬぐいを出し、百鬼丸の頭に巻く。巻いたのだが…
「ぷっ…くく( ´艸`)」
「ちょっとどろろ。ぷっ…あはは( ´艸`)」
「?」
どろろは百鬼丸に手ぬぐいを巻いてあげたのだが、リボン結びなのだ。しかも百鬼丸は元々容姿が良いため、物凄くかわいい。めちゃくちゃ似合っている。沙世とどろろは思わず笑ってしまった。
「兄貴〜やっぱり今回の妖怪退治はやめとこうか?礼金はいいけどこんな調子じゃ」
「しばらく妖怪退治はお休みした方がいいよ」
そう話していると百鬼丸は何かに気づく。沙世も気づいた。
「…出たのか?」
「うん」
どろろの問いに沙世は頷く。
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作者名:AYAAYA | 作成日時:2019年2月24日 21時