師走 その四 ページ17
慌てる清光と小通連に「大丈夫!僕もすぐに後を追うよ!」と安定は言う
「そんな!嫌だよ!安定君!!」
「安定!!」
「絶対に……帰るから!!」
こうして清光たちは強制的に本丸へ帰還した。
*
卯月
自分の部屋で寝ていた小通連は起きる。なぜか今日は眠れないからだ。
寝間着から内番服に着替えた。少しその辺りを散歩していたら声が聞こえた。
「上?」
屋根の上から聞こえる。
「だから僕は思った。僕達刀剣男士が守ってる歴史ってこんなにも尊いものなんだって!」
「え!?」
安定の声だった。小通連は急いで屋根に上れるところへ走る。
屋根に上ると清光と安定がいた。
「で、気が付いたら江戸城にいたんだよ」
「何なのあの桜?」
「不思議な桜だよね」
「……や…安定君?」
小通連はおそるおそる話しかける。
「あ!小通連!」
安定は嬉しそうに言う。しかしだ。
「………バカアアア!!!」
バッチーーーン!!!
「Σ二度目!!?」
「Σええ!?」
池田屋の時のように平手を喰らった。その光景に清光は驚く。
「安定君のバカァ!!なんで遅かったの!!後を追うって言ったのに!!」
「痛い!痛い!」
「しょ、小通連まった!屋根だから危ない!!」
泣きながらポカポカと安定を叩く小通連。清光はなんとか落ち着かせようとする。
本当にあの後追いかけたのだが、壊れていたせいで座標がずれ、今帰ってきたそうだ。
「………お帰りなさい」
「……ただいま」
「あーよかった」
説明のお陰でなんとか落ち着いてくれた。
「僕がいない間清光と小通連はどう過ごしてた?」
「まぁいろいろあったよ。新しい刀剣男士も増えたし」
「十五振りも来たんだよ」
すると清光が何かを言う。小さい声だからよく聞こえなかった。
安定はそんな清光を笑顔で見ていた。
「何?」
「清光も約束通り強くなったんだ」
「うん!清光君強くなったよ!」
「当たり前だろ。お前に負けてなんかいられないからな」
すると安定は右手を清光と小通連に差し出す。
「これからも…一緒に強くなろう」
そんな安定に清光と小通連は笑顔で言う。
「…なーに言ってんの!俺は安定よりもっと強くなるからね」
「私も強くなるよ!」
清光は安定と握手し、小通連は上から彼らの手に自分の手を乗せた。
「「「あははははは」」」
安定、清光、小通連は楽しそうに笑った。
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作者名:AYA | 作成日時:2018年3月10日 19時