睦月 その四 ページ4
「料理雑誌だよ!」
そう言って小通連は清光に見せる。表紙には”これで安心！お正月料理!!”の文字に
お雑煮の写真が載っていた。
「私は小夜君と燭台切さん、歌仙さんと大俱利伽羅さんと料理を担当するの！」
「そっかーがんばってね！」
「へえー。お正月料理か。それ見せてくれないか?」
「Σ兄者！」
興味を持った髭切は小通連に聞く。小通連は「いいですよ」と髭切に渡した。
髭切は受け取った後、膝丸と見る。
「どれも美味しそうだね。君もそう思わない?……えーと…」
膝丸に言おうとしたがまた忘れていた。
「だから兄者!俺は膝丸だ!!……まあ確かに美味しそうだが」
注意する膝丸。其の後、すぐに同意した。
「お、美味しいの作りますから楽しみにしててくださいね?」
「わかった」
「楽しみにしているよ」
「待ってる」
三人が去った後、小通連は「よし!!」と気合を入れ、調理場へ向かった。
＊
「それじゃあ、小通連も来たことだし、始めよう!」
「はい!」
「はい」
「了解!」
「ああ」
こうして小通連達は正月料理の調理を開始した。ちなみに担当は
歌仙はもち米。大俱利伽羅はお雑煮、小通連、小夜、燭台切はおせちだ。
歌仙はもち米を蒸すために竈に火を入れ、懸命に空気を入れている。
大俱利伽羅は伊達家伝来の刀故、お雑煮と言えば焼きハゼに角餅なので
ハゼを焼きに行っている。
「まずはなますを作ろうね」
「はい」
「それじゃ、僕は煮物を作るよ」
「お願いします」
小通連と小夜はなますを作るために大根と人参を千切りにする。
燭台切りは昆布巻きなどの煮物だ。
しばらくしておせち料理が出来上がった。小通連達は料理雑誌の写真を参考に重箱に詰めていく。
もち米も蒸しあがったのか「良い香りだー」と歌仙はご機嫌だ。
さっそく岩融の元へ持っていこうするとだ。
「おい！何をしている!?」
無理もない。大量に焼かれたハゼが鍋に煮込まれていたから無理もない。
「雑煮と言えな白みそだろ!?」
歌仙は大俱利伽羅に文句を言うが「雑煮といえばハゼだろう」と言い返された。
「白みそで丸餅の方が雅じゃないか」
「醤油で角餅だ」
好みが違うせいで相容れないと大俱利伽羅と歌仙はにらみ合いを始めてしまった。
その様子に燭台切は苦笑い。小通連は慌てる。
「後で白みそのも作るよ」
「だからケンカしないでください!」
2人の言葉に大俱利伽羅と歌仙は「「フン！」」と顔を背けた。
「小夜ちゃんはどっちのお雑煮が好き?」
燭台切は黙々作業する小夜に聞いた。
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作者名：AYA | 作成日時：2018年1月8日 19時
