鬼一族の小太刀。参

そして…また卯月 ページ25

「まだあー?皆待ちくたびれているよ」
「支度まだかかる?」
清光と小通連が部屋に向かって言う。

「ちょっと待って。皆に会うの久しぶりだなー」
部屋から出てきたのは安定だ。小通連の望み通り、桜が咲くこの時期に帰ってきたのだ。
「これ」
「直してくれたんだ」
清光が見せたのは直した桜のヘアピンだ。
「安定がいない間、暇だったからデコっておいた。」
そんな清光に小通連は小さく笑う。
出発してすぐに直そうと提案していたからだ。
小通連達は皆がいる桜へ向かう。そして皆は安定に気づいた。
皆嬉しそうだ。安定も皆に「ただいま！」と言う。
「おーい大和守ぃー早くこっちにおいでよー」
早速酒を飲んでいる次郎が呼ぶ。
「ちょっと待って!……これからもよろしく」
そんな安定に周りは笑みを浮かべる。

すると

ざああああ…

風が吹き、花びらが舞った。

「ほー桜が返事をしたようだ」
その様子に三日月が言う。
「よーし、全員集合したかえ?桜の前に並ぶぜよー!」
陸奥守が皆に言う。様子からして写真を撮るようだ。
陸奥守はご機嫌よくカメラを見せる。最新のカメラだった。
長谷部は財布を見る。




空っぽだった。




こうして写真を写す一同。その写真は今まで撮った写真と共に壁に飾られた。




ちなみにあのヘアピンをつけた安定は水面に映る自分の姿を見て、赤くなった。

やっぱり可愛いヘアピンはちょっと恥ずかしかったようだ。





『この物語は、とある本丸のとある刀剣男士たちによる花丸な日々の物語でした。』

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