２９話 ページ29
「さすれば我輩、天よりおぬしらを助けに参上する!!!」
なんと老騎士は、１ホイッスルプレゼントしてくれるというのだ。
「その笛で、いつでも我輩を呼ぶがよい!!!」
老騎士が去ろうとするとナミが止める。
「待って！！名前もまだ…」
「我が名は空の騎士ガン・フォール！！そして相棒ピエール！」
相棒は不細工で全体水玉模様な鳥だ。ガン・フォールはピエールについて教える。
悪魔の実・ウマウマの実を食べたそうだ。
「つまり翼を持った馬になる!!!」
つまりペガサスになると言う事だ。……しかしだ。
(((いやァ、微妙…)))
色や水玉模様。不細工な顔のせいで物凄く微妙なペガサスになった。むしろ珍獣である。
「勇者たちに幸運あれ!!!」
「オカシな生き物になったぞ、アレ」
「珍獣ですね」
更には必要なことは教えてくれなかった。とりあえず一味は船を動かす。
「なァ、あそこ見てくれ！」
遥か右正面に、滝のように雲が流れ込んでいるのが見える。
「変な雲だろ？」
「滝に見えますね」
「よし、決まりだ。あそこへ行ってみよう」
目いっぱい舵を右へ切り、船は一路、滝のような雲を目指す。
途中、ルフィ曰く「干したてのフトンより気持ちいい」雲に邪魔されたが
なんとかこの雲の迷路を抜けた。
正面に、大きな門が見える。門には『HEAVEN`S GATE』の文字。
門の先に流れている雲はやはり滝となっており、性質の違うふかふかした雲の上を流れ、
“空の海”へ流れ出ている。
一味は自分たちは死んでいるんじゃないかと思ってしまう。
ごちゃごちゃ船の上で話し合っていると、門の一番端に備え付けられたドアから、
一人の小柄なおばあさんが出てきた。
「観光かい？それとも…戦争かい？」
おばあさんは何かわけのわからないことを聞いて寄越しながら、何故か懸命に、
船の上のルフィたちの姿をカメラにおさめている。
おばあさんの背中には、真っ白な美しい、鳥のような羽根が生えていた。
「どっちでも構わない。上層に行くんなら、入国料一人10億エクストルおいていきなさい。
それが『法律』」
生まれて初めて見る、羽根の生えた人間に、ルフィは愕然とした。
「天使ってあんなんなのか……!!梅干しみてェだ」
「失礼ですよ」
なんとも失礼なルフィにフォンはツッコんだ。さて、10億エクストル払えと言われたところで、
その単位がベリーで表わすと、一体いくらになるのか見当がつかない。
「お金…もし…もしなかったら……？」
「通っていいよ」
「いいのかよっ!!!」
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作者名：AYA | 作成日時：2016年4月17日 11時
