麦わら一味の火龍～その4～ (ページ25)

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２５話ページ25

爆発とか、そんなレベルの話ではなかった。

まるでそこに、一瞬にして竜巻が起きたように、海がものすごい風を生み、弾け飛んだのである。

『うわあああああああ～～!!!』
猿山連合軍が強化してくれたおかげかメリー号は壊れていない。なので一味も今だけは大丈夫だ。
「水柱の上を船が垂直に走ってるぞ!!!」
「うほ～～!!面白ェ～～!!!」
ウソップは驚き、ルフィは大興奮。しかし段々と傾いてきた。

「ああっ!!!何だ…あれ!!!」
「先ほどの海王類ですね」
チョッパーが指差したのは、先ほど大渦に飲み込まれた、あの大型の海王類である。
その海王類ですら、この水柱に太刀打ちできず、弾き飛ばされたのだ。
「どうするんだ!!?このままじゃ下に落とされるぞ!!!」
「オイオイ、そんなこと言ってもよ!!!こんなもん爆発の勢いで昇っちまってんだから、
今更自力じゃァ…」
「やっぱただの“災害”なのか!!?」
「うわあ!!!色んなもんが降ってくるぞ!!!“突き上げる海流”の犠牲者だ!!!」
「あァ、俺たちももうお終いだこのまま落ちて全員…!!海に叩きつけられて死ぬんだよ!!!」
パニックに陥る船上。するとフォンとナミは下からの風を感じ取った。
「……ナミ。指示をお願いします」
フォンの言葉にナミは頷いた。
「帆を張って!!今すぐ!!!」
ナミはすぐに男たちに指示を与える。
この水柱は、海だ。下から吹きつける風は、地熱と蒸気の爆発によって生まれた“上昇気流”。
その“上昇気流”に持ち上げられ、海は空へと立ち昇っているのである。
「相手が風と海なら航海してみせる!!この船の“航海士”は誰!!?」
ナミは航海士の天才だ。彼女がいるからこの偉大なる航路も進めるのだ。
それは、皆の勇気となる。
「んナミさんですっっっ!!!!」
一斉に走り出した。指示通り帆をはり、船体を海流に合わせる。
右舷から風を受け、舵は左へ。
「わあっ!!ヤバイぞ!!水から船が離れそうだ!!!」

『落ちる――っ!!落ちるぞナミ、何とかしろォ!!!』
チョッパーの言葉を聞いた男たちは慌てる。しかしナミは冷静である。

『飛んだァ～～!!!』
なんとメリー号が飛んだのだ。船が空を飛んだ。

「すげェ、船が空を飛んだ!!!」
「まじか!!?」
「………」
「ウオオオ」
「船が空を飛ぶなんて…」
「やった」
「へェ…」
「ナミさん素敵だーｖ」
メリー号は風を受け、ドンドン上に行く。

「“積帝雲”に突っ込むぞォ～～～!!!」

『うおおおォオ～～～!!!』

一味を乗せたメリー号はこのまま積帝雲へ突入した。