１９話 ページ19
この鐘型の塊は“インゴット”と呼ばれる、
金をグラム分けするために加工された物であり、
この辺りで文明が発達していた証拠である。
このインゴットを、海底で３つ見付けたそうだ。
「それに前文にあった、奇妙な鳥の鳴き声…おい、マシラ」
今度は鳥型の金塊だ。
「うわあっ…綺麗……!!」
「何だこれ、ペンギンか？」
「どう見ても違いますよ」
ナミはうっとりと見つめ、ルフィはペンギンと言うがフォンは否定する。
「“黄金の鐘”に“鳥”…それが昔の、ジャヤの象徴だったのかねェ…」
「わからんがこれは…何かの造形物の一部だと思うんだ」
この鳥は“サウスバード”といい、ちゃんとこの島に現存する鳥らしい。
ノーランドの日誌にあった「奇妙な鳴き声」と一致しているのだという。
その時だった。
『しまったァ!!』
何かを思い出したクリケットと、マシラ、ショウジョウが大声を上げた。
何事かと思えば、彼らは急いで森へ行け、という。
何の為に森へ行くのかと聞けば、この金塊と同じ形をした鳥を捕まえろというのである
「いいか!!!よく聞け…!!お前らが明日向かう“突き上げる海流”。
この岬からまっすぐ南に位置している…!!そこへどうやって行く!!?」
「船でまっすぐ進めばいいだろ」
「ルフィ！ここは“偉大なる航路”ですよ!」
「そいつの言う通りだ！一度外海へ出ちまえば方角なんてわかりゃしねェ!!」
クリケットの問いにルフィはあっさり言う。そんな彼にフォンとクリケットは言った。
２人の言葉にナミは理解した。
「そうか…目指す対象が“島”じゃなくて“海”だから、頼る指針がないんだわ……!!
じゃ…どうすればまっすぐ南へ進めるの!?」
「そのために、鳥の習性を利用する!!」
ある種の動物は、体内に正確な磁石を持ち、それによって己の位置を知るという。
“サウスバード”も、その最たる例だ。どんなに広大な土地や海に放り出されようとも、
その体に正確な方角を示し続けるという。
「とにかく!!!この鳥がいなきゃ何も始まらねェ!!!“空島”どころか、
そこへ行くチャンスに立ち会うこともできんぞ!!!」
『えー!!?』
「何で今頃そんなこと言うんだよ!!」
「もう真夜中だぞ!!今から森へ入れって!!?」
ルフィとウソップは思わず叫んでしまう
「ガタガタ言うな、時間がねェんだ!!!俺たちはこれから、お前らのボロ船の強化にあたる!!
考えてみりゃ、宴会やってる場合じゃなかったぜ!!!」
『だから今頃言うなって!!』
こうして麦わら一味は真夜中の森へ入った
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作者名：AYA | 作成日時：2016年4月17日 11時
